第138話
「どうして、俺がこんなことに成ってんだよ、クソが!!」
一人の男が部屋で荒れていた。
この男はネット上で配信活動をしている玲という男だった。最近、この男はある意味ホットな話題の中心人物だった。
この男が何故こんなに炎上しているのかというと、彼が配信上で放った青を貶すような発言が事の発端だった。
これは計画的にされたことで、他の男性配信者も同時に青を貶していたりしていて所謂男性側が青を貶して自分たちの隆盛を取り戻そうとしていた。
...........が、結果そんな拙い小学生レベルの作戦は叶うことなく、逆にネットでは青が沢山擁護されていて、自分は男という立場であるはずなのにボコボコに叩かれてしまっていた。
「お前の配信、面白く無さすぎ。それでよく青様に文句言えるね」
「つまんな」
「お前の方がキモい」
「青様に比べて何もかも醜いね。整形すれば?」
「死んで償った方がいいと思います」
「顏、キモッ。鳥肌立つんですけど」
「早く謝れよ、豚」
「青様に何か言う前に自分の欠点なくす努力したら?」
これまで男というだけで甘やかされて一度も怒られたことがないため、彼の自尊心はボロボロにされていた。
「そもそも、何なんだよあの青ってやつ!!」
この世界の男性から見て、あの青という男は異例の存在だった。
青は、女性に対して優しく接し、リスナーの事も考えるそんな存在だった。
これはこの世界の女性からではなく男性から見てもおかしい存在だ。女性という生き物は自分たちを襲う獣のような存在であり、自分の事を養うことが生きがいであり、ぞんざいに扱ってもよいという認識がある。
何も生まれた時からそんな価値観を持っているのではなく、成長していくことによって周囲の女性からいやらしく見られたりすることや一度も怒られることは無く甘やかされて育ったことによってそうなってしまうだ。他にも理由はいろいろあるが。
その価値観が普通なこの世界の男性からすると青は異例の存在であり、女性にとっては天使のような存在、男性から見ると異質な存在であった。
中には一部、青に興味を持っていたり憧れている男もいるがそれはおいておこう。
「ねぇ、玲ちゃん。ポストにお手紙がかなり届いていたみたいだけれど.....」
「そんなの見せんじゃねぇよ!!捨てろ!!」
扉越しに母親を怒鳴りつける。
玲の怒りは家族にまで及んでいた。
理由は、母親、それに姉までもが青を見るようになり、何時しか自分の事を憐れむような視線で見ていると感じるからだ。
「あぁ、もう、イライラするな!!死ねよ、青とかいうやつ!!」
「はっくしょん!!」
「大丈夫ですか祖師谷様。心だけじゃなく、体調まで壊してしまったのですね。あぁ可哀そうな祖師谷様。私が慰めてあげますからね」
「エリーずるい。次私ね」
「次は私です」
「次、私!!」
「私も!!」
いつものメンバーに加え、新しく学校に入学した莉々と風花ちゃんまで加わりさらに騒がしくなった学校生活。
今はどういう状況かというと、男性配信者に色々言われて心が疲労しているでしょうと言われて胸に抱き寄せられ頭をなでなでされているところだ。
エリ―の胸はものすごく柔らかくてずっと埋もれて居たい。
「お兄ちゃん、嬉しそうな顔している。ねぇエリーさん、私もやりたい!!早く」
「ダメです。祖師谷様は私の胸だからいいのです。ですよね?祖師谷様」
「むごごごご」
さらに胸を押し付けられて苦しいけれど、幸せならオッケーです。
エリ―が終わった後、全員が終わるまで胸に抱き寄せられた。
最高だった。
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