第137話
「最近、この配信者が青様を貶めるような発言を繰り返しているのは知っているでしょうか?」
「えぇ、そうみたいですね」
理恵さんが怒りを抑えながら僕にそう伝えてくれる。
最近、質問箱とかDMとかに目を通していたりしていると、『この配信者が青様を貶めるようなことを言っていました!!」とか「この人、天使の青様に酷いことを言っていました』とか沢山来ていたし、梨美やエリーたちが教えてくれていたので大体のことは知っているつもりだ。
おそらく事務所のほうにも、そういうDMなどが沢山来ていたのだろう。
「事務所のほうで、今、対処に当たっているところです。すみません、青様」
「いえ、大丈夫ですよ」
誰が僕のことを貶めているのかというと、男性のそこそこの人気があった配信者の人。名前は
元々は男性だからという理由で、そこそこの人気があったみたいだけれど僕が配信を始めてからは視聴者は激減してチャンネル登録も解除され、メンバーにも見限られているみたいだ。
配信自体も僕視点から見ると工夫の一つも凝らさず、登録してくれている視聴者やメンバーの人にさえ冷たい。
そんなことだから、登録解除や視聴者が激減するのは至って普通のことだし、前世なら炎上しまくっているところだけれどここは貞操観念が逆転した世界だったので許されていたし、それでも視聴者はかなりいた。
しかし、僕が配信を始めたことによって視聴者を根こそぎ取られて、メンバーもいなくなったことによって逆切れのような形で僕に対して暴言を言っているみたいだ。
僕に暴言を言っているのは、
僕としてはそんな奴らのことは正直どうでもいいし、気にしてはいないのだけれど僕の周りの人たちが.....ね?
梨美とかそいつらのこと殺してしまいそうな雰囲気だったし、母さんも「社会的にころしましょう」とか物騒なこと言っていたし、白金さんも「やはり蒼様以外、男性はカスですね。私が直々にその腐った性根を叩き直してあげましょうか?」とか言っていたからね。
アリシアやエリーたちも当然のように怒っていて、「家ごと潰してしまいましょうか?」「いいですね。祖師谷様を馬鹿にした者の家なんて存在する価値がありませんから」と本気の目をしていた。
アリシアが動けば本当にその家は潰れるだろうから、焦って止めたけれど。
その他にも、シュガーちゃん、莉々さん、未恋先生、柚乃ちゃん、全員が怒り狂っていて、僕に向けられた怒りではなかったのにすごく怖かった。
僕の周りの人、つまりリスナーもかなりの怒り状態で僕に暴言を言っていた配信者達は全員、炎上中で中にはその人の家まで特定している人もいてもう一種のお祭り状態だ。
流石に家を特定するのはやりすぎなので、tritterで僕が気にしてませんよ的な発言をして今は少し落ち着いてはいるけれど未だに炎は燃え盛っているところだ。
僕を貶すんじゃなくて努力していたら、もっと視聴者を増やせただろうに。
「この騒動は、長引きそうなので青様はできるだけ気にしていない感じで配信などしてくれるとありがたいです」
「そうですね。僕から何か言うとさらに燃え上がりそうですから。ですが、やりすぎている人たちも一部いるみたいですから、そこだけは注意させてもらいます」
「そうですね、ありがとうございます」
この世界に、まともな男性はいないのか?
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