第129話
「そう言えば、今まで疑似彼氏の動画を取ってきたりしたけれど、遊園地とかだけで日常生活である学校でのものはなかったな」
「………まさか、するんですか?」
「とても面白そうな案ですが大丈夫なんですか?」
配信ばかりなので、何か動画を出したいとそんなことを思っていた今日この頃。
過去の動画である遊園地での疑似デート動画を見て、そんなことを思ってしまったのだ。
遊園地での疑似デートの動画はかなりの好評を博していた。けれど、一時的に社会的機能を低下させることとなったという過去もある。
しかし、最近の僕の配信とかいろいろをしていく内にあの頃よりは段々とリスナーのみんなも免疫がついてきたので大丈夫なんじゃないかと思っている。
.....大丈夫、だよね?
理恵さんに聞いたらもしかしたらダメって言われるかもだから、先に動画を撮っちゃおうかな。
考えていても何も始まらないし、校長先生に撮影をしてもよいかの許可だけ取ってくる。
校長先生は快く許可(鼻息を荒くして)を出してくれた。
「僕の彼女役になってくれる人.....いるかな?」
「私がやります」
「いえ、私にやらせてください」
「私がやりたい!!」
「私が」
「私もぜひやらせていただきたいと思っています」
いつものメンバーにちゃっかり白金さんも混ざっている。
「どうしようかな、じゃあ場面ごとに切り替えて全員ができるようにしよっか」
「ありがとうございます。ですが、どこで区切りますか?そこがとても重要になってきます」
「うーん、どこの場面を動画にするかは悩むな。朝、一緒に登校するところからまず始めて、それから授業中と、休み時間、お昼休みと、それと下校で丁度五人分だからそうしようかな」
「了解しました。ここからはじゃんけんで決めますので、少々お待ちください」
いつものメンバーたちは話し合いとじゃんけんをした結果、登校場面は由利、授業中は愛理さん、休み時間はアリシア、お昼休みはエリー、下校は白金さんという結果になった。
「本当は帰りの時間のほうが良かったのですが.....まぁ、お昼休みで妥協しましょう。おいしいものをご馳走しますね」
「あ、そうか。お昼休みならお弁当を作ってきてあげることもできたのか.....やるね、エリー」
「私は、下校ですか。楽しみですね」
「撮影日はそうだなぁ、春休み入ってすぐかな。入学式とかの時期とかには間に合うようにしたいからね」
僕と同じ学校に入りたくても入れなかった人の力になれればいいなって思ってるから。
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