第128話

そろそろ春休みになりかけている今日この頃。


三年生の卒業式も無事終わって、後期もあとちょっとというところだ。


 三年生の卒業式では、在校生代表挨拶を僭越ながら務めさせていただいて、三年生全員が涙していたことが印象的だった。


 どうやら、僕のあの応援のおかげで受かったと思っている人がかなりの数いるみたいで僕を信仰の対象として崇め始めようとしたので、とても困ってしまった。


 僕の応援だけじゃなくて、先輩自身が頑張ったからですよ!!と言ったら神様だとか言われちゃうし。


 その後はいろんな人に写真を撮って無事、卒業式が終わったわけだけれど、別れがあるということはまた出会いがあるということで今度は入学式関係のお話で校長先生に呼び出されてしまって今校長室にいるわけだけれど。


「ということで、またまた祖師谷君には在校生代表挨拶をしてもらいたいなっておもっているんですけれど.....」

「まぁ、いいですけれど。でも前から思っていたんですけれど、そういうのって生徒会長がするものじゃないんですか?仕事を奪っている気がしてならないんですけれど」

「それはそうですが、祖師谷君がした方がほぼ絶対盛り上がりますし、新入生も余とこぶと思うんです。今年の特に今年の新入生は祖師谷君目当てで来る人も大勢いるでしょうから。現に今年の入学応募者は例年の数倍以上でしたから」


 僕の通っている高校はばれてしまっているからなぁ。仕方がないといえば仕方がない。


 僕目当てじゃなくて、真剣にこの学校を目指して入りたいと思っていた人がいるとするならば本当に申し訳なくなってくる。


 別に僕目当てで来た人を侮辱したいわけではない。それも立派な動機だし目標だ。それで、かなり偏差値の高いそれに倍率も異常に高いこの高校に入学する人なのだ。


 かなりの努力をした人だろうからそんな人を侮辱するなんてことはしたくないしできない。


「生徒会長さんが許可を下してくださるのなら別にかまいませんよ」

「生徒会長からはすでに許可はもらっています。祖師谷君がした方が適任でしょうだそうです」

「分かりました、なら僕がやります」


 まぁ、こんなことを言ってはいるけれど梨美がこの学校に受かったから、僕だって在校生代表挨拶はしたかったんだけれどね。


 全く勉強をしているそぶりを見せなかった梨美だけれど、頭はかなりいい方で難なくあの倍率を突破したみたいだ。


 風花ちゃんも同じくこの学校に合格したみたいで来年というか四月からはさらに僕の周りが騒がしくなるだろうなという予想はできる。


 絶対に楽しくはなるだろうけれどね。








 


 

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