第123話 閑話 莉々

「私ももっと、頑張らなきゃ」


 そんな言葉が口からぼそっと出てしまう。


 配信を終了させて、そんなことを思っていたから出た言葉だ。最近、こういうことを頻繁に思うようになってきた。


 それは、多分周りの人が凄い人だらけだからだと思う。


 認めたくはないけれど、ボカロPのシュガーだってそうだ。あの子は再生回数の凄いヒット曲をバンバン出していて、実際に曲を聴くと誰でも楽しくなれたり、胸に来る曲を作っていてチャンネル登録者数も私なんかより多い。


 認めたくはないけれどね。


 他にも、アリシアさんとかも海外のお嬢様だけれど青様に会うためだけに日本までくるという行動力が凄いし、庶民の私達にも平等に接してくれるし単純に財力が凄い。


 その付き人であるエリーさんはどんなことでも出来る超人だと言っても過言ではないくらいだし。


 他にも由利ちゃんだって愛梨ちゃんだって、柚乃ちゃんだって、梨美ちゃんだって特技があったり特徴があった。


 それに一番頑張っているだろうと思わされるのは青様だろう。


 青様が配信を始めてからの伸びは異常だ。


 今までの男性配信者もいることにはいたけれど、今の青様の足元にも及ばないくらいだし、女性配信者の方が人気なことが多かった。


 だが、青様はその持ち前の容姿と愛嬌と可愛さと格好良さと優しさと努力とその他諸々で世の女性たちを虜にしていきあっという間に日本一位をとって今や世界一の配信者になりかけているそんな人。


 最近では配信だけでなくライブとかもしてくれるし、ASMRとかシチュエーションボイス、青様の彼女に成れる動画、生であった人たちにも優しく対応するという神対応っぷり。


 さらにはコラボ配信だったり、まだ世には出ていないけれどライブ配信だったりも予定していてものすごい忙しい日々を過ごしている。


 ライブも適当にせず、常にリスナーを考えて一生懸命練習していて、だからこれだけの人が青様の虜になっているのも頷ける。


 私は幸運なことに、そんな青様とお近づきに成れた人でもある。


 だけれど、今はただそれだけの女。


 私は確かに一般の女性よりは可愛い自信があるけれど青様の周りにいる他の子よりは可愛くないし何か特技があるわけでもない。


 正直、青様が私の事を気まぐれで選んでくれなかったとしたら、一生関わる事などなかっただろう。今でも、なぜ私とコラボしてくれたのかは分からないけれど、この関係を終わらせたくはない。


 青様と一緒にこれから先だっていたいから。


 


 








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