第115話
「皆さん、こんばんわ。元気にしてる?」
『こんばんわ、青様』
『青様、こんばんわ。今日も格好良くて優しくて大好きです』
『こんばんわ、結婚してください』
『こんばんわ』
コメントもいつも通りで安心感さえ覚える今日この頃。
「結婚はできないかもしれないけれど、今日はみんなに告知があって配信をするよ」
『え!?』
『何!?』
『青様の告知って大体凄いことしかないから、ワクワクする』
『引退しますとかだったら、首切って自殺します』
「引退はしないので、首切って自殺しないでね」
僕がもし、引退をします、とか言ったらどうなるんだろう?
みんな悲しんでくれるのかな?今、コメントではネタのつもりで自殺しますとか言ってくれているけれど、引退するときはみんな笑顔でお別れしたいな。
「全然告知とは、関係なくて今思ったことなんだけれど、僕が引退するって言ったらみんな悲しんでくれるの?」
『多分、一年は仕事できない』
『人生の楽しみが無くなって、私は死んでしまうかも』
『私は多分、灰になると思う』
『リスナーのほとんどは再起不能になりそう』
『私なら、本当に死ぬよ?』
『そんな恐ろしいこと考えたくない』
『そんなこと言わないで』
『仮でも考えたくない』
「みんな、ありがとう。死んでしまうくらい、僕の事思ってくれてるんだ」
みんなの日常の一部に溶け込んでなくて、はならないくらいの存在にはなれているのかなって思うと凄く嬉しい。
「告知は最後にして、今日は久しぶりにリスナー参加型のゲームをしてみようかなって思いまーす。ゲームは大戦闘をするよー。部屋作るから、少し待ってね」
『了解ー』
『さて、今日もボコられ青君を見るとしますか』
『お姉さんが、分からせてあげるからね』
「今日は普通に、僕が勝つからね。負けないよ?.....って部屋作ったばっかりなのになんで分かるの!?」
『私たちは青君の事なら何でもわかる』
『青君の身長も体重も何もかも知ってるから』
「それは若干ホラーだよ!!」
さて、久しぶりのリスナー参加型のゲームをするわけだけれども.....
「うっ.....つ、強いね、みんな」
『この分からされてる青君、本当に可愛い』
『今日はこれでいいや』
僕だって、何もせずリベンジをしているわけではない。ちゃんと練習して勝てると思って挑んでいるんだけれど、ボコボコにされるんだけれど!!
その後も、二戦、三戦とする数が増えていくたびに僕の敗北が増えて行って、メンタルが段々と削られて行っている。
最終的には、燃え尽きてしまった。
「ま、まぁ、今日はこのくらいにしてあげるよ。次は絶対に負けないから、覚悟しててよね」
『ヤバい、胸がキュンキュンする』
『負けてかなちいね?お姉さんが慰めてあげるからね』
『青君の、この悔しそうな顔が何ともそそりますね』
『今日のおかずが大量なんだけれど』
『やはり青君は最高』
『青様こそ至高』
次までにま絶対にリスナーに勝って見せよう。いつか分からせ青というネットでできているタグを絶滅させてやるんだ。
「まぁ、今日のゲームは引き分けで終わらせといてあげて、今から告知をします!!」
『勝手に、引き分けになってて嗤う』
『そうだねー、青君凄いねー』
『可愛い』
「みんな、うるさい。さて、告知って言うのはこれっ」
画面を切り替えて、波崎さんとのコラボの告知を画面上に出す。
「今週、あのアイドルの波崎さんとコラボするから、見に来てねー」
『マジ!?』
『あのアイドルの波崎と青様がコラボするのか!!』
『すご!!というか波崎さんとコラボできる青様すごい」
『違うだろ、青様とコラボできる波崎が凄いんだろ』
『それはそう。だって、青様は世界的に有名だし』
「ここ最近、僕も歌う機会が増えてきたし、波崎さんもアイドルだから一緒に歌う.....とかあるかもね?」
僕がそう言うと、コメ欄が一気に盛り上がる。
「まぁ、当日楽しみにしててね。じゃあ、またコラボの日か明日に配信するかも」
『了解‼!』
『楽しみすぎる』
『やっぱり青様なんだよなぁ』
『青様、最強!!』
「じゃあ、みんな、またねー」
配信を閉じて、tritterに今日の配信の感想を書いてトレンドを見ると、コラボの事がもう乗っていた。
僕もコラボの日がますます楽しみになった。
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