第110話 閑話 

「はぁ........青様。........ち、違うかな。そ、祖師谷君」


 壁中に私が貼った青様や祖師谷君の写真を眺めて、私はうっとりとした声を出してしまう。


 私と祖師谷君の関係の始まりは学校側が始めた企画のようなもので、各教室に祖師谷君が来るというものでした。


 最初、そのことを聞いたときは保健室登校の私の所には来てくれないだろうな。ちゃんと教室へと登校していればと思ったものだけれど、なんと青様は保健室登校である私のもとに来てくれると知った時はものすごく嬉しくて、沢山祖師谷君を思ってシちゃいました。


 元から青様の事を知っていて、リスナーだったけれどこの学校にその青様がいると知った時は凄くびっくりしたし、話しかけてみようかなと思ったけれど、私のような陰キャのデブでコミュ障では相手にしてもらえないなと思っていたから、遠目に彼の事を眺めることしかできませんでした。


 その人が私の事を相手にしてくれると思うとものすごく嬉しかったのを覚えています。


 でも、実際祖師谷君に会うとなるとものすごく緊張して、当日は準備万端で学校へと足を踏み出そうと思ったけれど、いきなり怖くなって出れなくなりました。


 でも、後に後悔することに成るのは分かり切っていたので私は勇気を出して一歩踏み出し、実際に祖師谷君に会うことができました。


 生で見る祖師谷君はものすごく格好良くて、言葉も出なかったくらいなんだけれどそれ以上に私のような女に凄く優しく接してくれて子宮がキュンキュンして、ずぅっと目がハートマークだったと思います。


 前髪が長くて助かった。あんな発情しきっている顔を祖師谷君に見せたら幻滅されちゃうかもしれないですから。


 でもね、祖師谷君だって悪いと思います。


 祖師谷君は気づいていないだろうなって思ってるけれど気づいていますよ?


 祖師谷君、私の匂いすっごく嗅いでいましたよね?私、あれですっごく興奮してたんですよ?


 どうしようもなく濡れてしまってパンツが使い物にならなくなっちゃうくらいだったんです。本当はもっと近くに来て嗅いで欲しかった。けれど、そんなことされたら私は多分失神しちゃうと思うから良かったのでしょう?


 私は、もう祖師谷君という底なしの沼に引きずり込まれてしまいました


 もとから青様として知っていたころから愛していたのに、実際に会うことが出来て今では接点まで持つことが出来てしまっています。


 祖師谷君に柚乃なんていらないと言われたら、私は潔く死ぬことを選ぶだろう。あの人の望みなら私は何だって叶えてあげたいんです。


 性奴隷になれと仰るなら、喜んで祖師谷君の便器になるし、サンドバッグになってと言われたら喜んで殴られるでしょう


 性奴隷に成れってそれは、ご褒美じゃないのかな?と今一瞬思ったくらいには彼に溺れているのです。


 抜け出したいなんて思いませんし、これからも溺れ続けて居たい。この温かくてぬくもりのある幸せな沼に。


 あわよくば、彼の結婚相手になりたいだなんて、私如きがおこがましすぎるでしょうか?


 そんなことを言ったら祖師谷君は、きっと優しく「そんなことないよ。柚乃は可愛いよ」と言ってくれるような気がします。


 あぁ、私の王子様。


 どうかこれからも私の事を見捨てないでくれませんか?少しだけでもいいのであなたの傍に居させてくれませんか?


 あなたのぬくもりに、優しさに少しだけでも触れていられれば私は生きていけるので。

 

 あぁ、私の神様これからもあなたの事をずっと愛し続けると誓います。


 好きです、大好きです、愛しています、あなたでないと私は駄目なんです。他の男性何て私には塵のようなものなんです。


 祖師谷君しか見れない。


 愛しています、これからもずっと。


 


 


 

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