第109話

「改めて、理恵さん、シュガーちゃん、莉々さん、あけましておめでとうございます」

「青様、あけましておめでとうございます」

「おめでとうございます」

「青、あけましておめでとう」


 年が明けて少し経ってから事務所へときた。


 LIMEであけましておめでとうは言ったけれど、やはりこういうのは実際に会ってするのが一番いいかなと思ったし打ち合わせもあったから来たわけだけれど、何故か二人も来ていた。


 二人にも挨拶が出来たから、いてくれても全然かまわないしシュガーちゃんを抱えて撫でられるから僕はすっごく嬉しい。


 最近、シュガーちゃんを抱えて座ることが多いからシュガーちゃんが膝に座って頭の後頭部を僕の胸にぐりぐりとあてられるのが落ち着くようになってきた。


 シュガーちゃんは小さくて凄く可愛いから抱きしめることも出来て、なんだか僕専用のお人形さんみたいで、寝るときも抱いて寝たいなって思ったり。少しだけえっちすぎるお人形さんだけれどね。


 まぁ、そんなこと言ったらシュガーちゃんは本当に今日から僕の家に毎日泊まって一緒に寝始めるだろうから軽々しく、言えないけれど。


 将来的にはそうなっているかもしれないけれど、今はまだかな。


「なんで、毎回その無口ビッチ女が青様の御膝に座っているのか納得いかない」

「青は、淫乱ピンクより私の方が好きって事」

「そ、そんなわけないもん。ね?青様」

「うん、僕は二人とも同じくらい好きだよ」


 そう言うと、僕が好きって言ったのが効いたのか二人とも頬を真っ赤にする。


「........嬉しいけれど、そこは私の方が好きって言って欲しかった」


 と向きを変えて僕の胸にすりすりと顔を擦ってすーはーと深呼吸をするシュガーちゃん。


 対して莉々さんは僕の方へと歩いてきて、あすなろ抱きのような形で僕の事を抱きしめてくる。


「私の事も見てください。そこの人形女よりも」


 耳でそっと囁かれて、体がぴくぴくと反応してしまう。


「......えぇ、ごほん。青様?」

「あ、えっとごめんなさい。理恵さん」


 じとぉーっと僕たちの方を見てくる理恵さん。理恵さんだけ仲間外れみたいになっちゃっているし、今日は打ち合わせの話にも来たのだからさっさと話を進めなければ。


 莉々さん、シュガーちゃんを一度落ち着かせて席へと着かせる。


 シュガーちゃんは渋々と席を降りて僕の隣の席へと座った。


「まぁ、この二人は口外しないと思いますので話を進めてしまいますが、前にコラボのお話をしたのは覚えていますね?」

「覚えています、確か波崎知佳さんとのコラボでしたよね?」

「そうです、その方と二週間後、コラボしてもらうことが決定しました」

「なるほど。それで、内容はどうするとか決まっている感じですか?」

「そうですね、相手はアイドルの方ですし青様も一種のアイドルのようなものですから、一緒に踊ったり歌ったりする配信をしないかとそんな話になっています」

「なるほど。楽曲は?」

「シュガーさんが作ってくれた青様のオリジナル曲とかあちらのオリジナル曲などを歌うような形になると思います。あとは、雑談とかをする感じになるかと」


 僕と理恵さんがコラボの話を淡々と進めていると、莉々さんとシュガーちゃんがぽかーっとしたような顔をしている。


「青様、前から凄いって思っていたけれどあの波崎知佳さんとコラボするんだ。本当に私なんかとコラボしてくれてありがとうございます」

「青、凄い」


 波崎千佳さんは今、アイドル界で絶大な人気を誇っているからな。


 ものすごく顔は可愛いし格好いい。けれど、この世界の人のスタイルがいいは胸やお尻が大きくない人だから胸やお尻は控えめだけれど。


「まぁでも、青様なら当たり前か。だって、登録者数この国では一位だし、世界一位まであと少しだもんね。今年中には絶対に行けそうだもん」

「それはそう。波崎知佳なんて大したことない。私の方が凄い曲作れるし、青の方がこの国だけじゃなくて世界的に人気」


 と何故か二人が誇らしげに僕の事を語る。


 波崎さんとのコラボ、すごく楽しみだな。



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