第104話
「みんなー、こんにちわ。うわー、凄い数だね。サバ―耐えられるかな?とりあえず、みんなありがとね、クリスマスイブに僕の配信を見に来てくれて」
『当り前』
『青様の配信があるのなら、仕事なんてしない』
『今日の同接ヤバいな』
『みんなクリスマスに予定のない、可愛そうな奴ばっかり』
『私には青って言うとっても素晴らしい彼氏がいる』
始まりました、クリスマスライブ。
いつもより同接の人数が半端ないことに成っていて、コメントの速度も凄いことに成っている。
「さて、まずは衣装のお披露目しちゃおうかなー。Vの方に切り替えるね」
『お、どんな衣装だろう』
『ワクワク』
『絶対可愛い』
『先にスパチャしておく』
「それじゃあ、お着換えしちゃうからね。うんしょと」
Vの方の準備は、スタッフさんにしてもらい、僕は僕でサンタの衣装のコスプレをする。Vからまた切り替えた時、驚いてもらえるように。
「じゃー、準備できたし、いくよー」
『うおー-!!』
『可愛すぎ』
『まだ、始まったばっかりなのにスパチャ上限行ったんだけれど。なにこれ?バグ?』
『お金をもっと払いたいのにぃ』
『最高すぎる』
リスナーのみんなが大盛り上がりで、コメントをしてくれてスパチャが飛び交っている。してくれるのはありがたいけれど、自分の生活の事も考えてね?
「これ、すごいでしょー?いつかVの体で3Dになってこの衣装作ってもらうから楽しみにしててね」
横に揺れてウインクをする。
『可愛すぎて吐血する』
『青様ってさぁ.........神なんだよね』
一通り衣装をみせた後に、Vの体から生身の僕に自然と何気なく戻す。
「Vの体もいいけれど、こっちの僕も見て欲しいな」
『!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
『ヤバスギ』
『天才ですか?』
『あぁ、なんだ、神なんだ』
『青様しゅき、しゅぎる』
『これからも愛してる』
『ずっと好き』
Vの体の時よりもコメントの反応速度が良くて、なんだか二次元に勝ったみたいで少し嬉しい。
Vの体も好きだけれど。
「どう?僕、可愛い?格好いいかな?」
調子に乗ってそんなことを言って、くるりと回って見せる。
『可愛い過ぎるよ』
『青様、結婚しよう』
『式場はハワイにしようね?予約しておくから』
『子供の名前は何がいいかな?』
勝手に結婚するところまで話が進んでいる人もいるけれど、ここからは少しだけ告知をさせてもらおうかな。
「えーっと、お歌とダンスをする前に告知をさせてもらおうかな」
『なになに?』
『気になってた』
「みんなにお金は溜めといてって言ったやつ。なんと、ASMRとシチュエーションボイスを発売することにしたよー」
『まじ?』
『ヤバスギ』
『買うしかないな』
コメントが高速すぎて読むことは出来ないけれど、なんとなく好評だということは分かる。
「内容はあんまり詳しくは言わないけれど、ASMRにはちょーっとエッチなものが最後に入ってるから是非かって聞いてみてね。シチュエーションボイスは僕と同棲したらって感じだからこっちも買って聞いてみてね」
『青様と同棲』
『ごくり』
『......やっぱり私達って付き合ってたんだね』
「これの販売はこのライブ配信が終わってからすぐに発売されるから是非かってね」
サイトがダウンして買えない人がいないことを祈るばかりだ。
「さて、告知も終わったことだから次はお歌だね。緊張するなー」
『頑張って』
『たとえどんなものだとしても、可愛いと思える自信がある』
『青様なら大丈夫』
「みんな、ありがと。じゃあ、さっそく初めて行こうかなって思うよ」
いまの3D技術は凄く、普通のスタジオだったものがライブ会場っぽくなる。
「それじゃあ、一曲目は僕のオリジナル曲から!!」
一曲目の僕のオリジナル曲から始まり、二曲目、三曲目と今話題の曲だったりボカロだったりを歌って踊り、幅広い年代の人に楽しんでもらえるように、選曲した。
歌って踊って、かなりの時間が過ぎてライブの時間ももうすぐ終わりに近づいてきていた。
未だにコメントの波は衰えることを知らないどころかさらに加速していて凄いことに成っている。
tritterのトレンドは僕の事ばかりが載っているみたいだ。
「じゃあ、これを歌って最期かな。長い間、僕のライブを見てくれてありがとう、それじゃあ、これで終わり、行くよー」
最後の曲が始まり、精一杯リスナーのみんなに思いが届くように一生懸命歌ったり踊ったりした。
歌い終わる頃には喉は涸れ果てて仕舞いそうなくらいだったけれど、胸を張って精一杯できたと言える。
「今日のライブはこれで終了です。みんな一杯楽しんでくれたかな?」
『めっちゃ楽しかった』
『最高のクリスマスイブだった』
『青様がいて良かった』
『涙で前が見えない』
『青様しか勝たんってことがはっきりと分かった』
「じゃあ、みんなまたね。今日はこれでおしまい。お休み、みんな。いい夜を」
スタッフの方が配信を切ってくれる。
僕は、スタッフの皆さんの方へと振り返り頭を下げる。
「.....................ふぅ。みなさん、今日は本当にありがとうございました。とっても楽しかったです。お疲れさまでした」
パチパチと大きな拍手が鳴り響き、段々と大きくなっていき「お疲れ様」とか「格好良かった」と沢山褒めてもらえてとても嬉しくなる。
そのごこのライブは一週間ほどトレンドに乗り続け、さらに販売されたASMRとシチュエーションボイスによって中毒者が現れて、「青様の声を聴いていないと生きていけない」という人が続出したことだけはここに記しておこうと思う。
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