第103話

「お疲れさまでしたー、皆さん」

「お疲れー、青様」


 配信上でライブを開催すると決まってから三か月経ってもう十二月に入った今日この頃。


 ライブの開催日時は、クリスマスイブを予定しているため、運営の人たちが一生懸命がん会って諸々の許可を取ってくれたり、手配してくれたおかげで余裕をもって間に合うくらいまでに仕上げることができた。


 再来週には本番で、今はもう最終調整段階だ。


 この頃にはあらかたすべてやり終わっているので、喉を労わったり体を無理に動かしてケガをしないこと以外は僕にすることはない。


 スタジオから出て、今日、早速クリスマス配信ライブ配信を告知するのだ。


 早めに伝えないと有休がとれなかったりして、運営の人たちに非難が殺到する可能性もあるからね。


 家に帰って、ご飯を食べてお風呂に入ってから配信の準備をする。


 時刻は九時。


 さてと、配信を開始するとしますか。


「みんなー、こんばんわ。元気にしてるかな?お仕事、学校、お疲れ様ー」

『青様、こんばんわー』

『青様、今日も格好いいです』

『青様の配信を見ることだけが生きがい』

「今日も、みんな来てくれてありがとう」


 待機画面にはもう何十万人といたけれど配信を開始してからもその数は増え続けている。


「今日は雑談って書いてあるけれど、少し訂正。みんなにお知らせとご報告がありまーす」

『え!?』

『なんですと!?』

『オタクにとってお知らせが一番ドキドキする』

『何だろう?』

『wktk』

「それは.........」


 少し溜めてみんなの反応を楽しみんでから、僕は画像を配信にのせる。


「なんと、クリスマスライブをすることになりましたー、拍手ー」

『ええええええええええええええええ』

『まじか、まじか』

『え!?嘘?夢?』

『これでクリスマスはボッチじゃないんだね。流石私の彼氏様』

『青様、またやってくれるね。簡単にファンを殺しちゃうんだから』


 コメントが通常時も異常なほど早いけれど、今はもう読むことすら不可能だし驚きで何を書いてあるのか不明なものや、海外のいろんなコメントもあるから本当にもうお祭り騒ぎって感じがする。


「あとそれと、まだ発表はできないんだけれどみんなに喜んでもらえる様に考えたものも販売するから、お金貯めといた方がいいかも」

『何かは分からないけれど買った』

『絶対にえっちな奴だ、これ』

『あぁ、もう、最高や』

『青様はこれだからやめられない』

『青様、マジ天使。さいこう、大好き』

「みんな、楽しみにしていてね」


 あのASMRを聞いた時のみんなの反応が楽しみすぎるな。それにシチュエーションボイスも聞いてくれると良いな。


 僕の配信はみんなの日常に寄り添えるようなものにしたいからね。


「告知はこれくらいかなぁ。時間もあと半分くらいあるし雑談しよっか」

「雑談きちゃ』

『何話すー?』

『告知が大きすぎて雑談を聞く余裕がないww』


 適当にコメントを拾いつつ、質問箱に来ていたコメントを返していく。


「どうしてそんなに青様は男性なのに優しいんですかってそんなに優しいかな?普通だと思うんだけれど」

『青様は異常だよ』

『青様はおかしいくらいだよ』

『青様、おかしい』

「おかしい、可笑しい言われていると何だか、良くない人みたいになってるんだけれど」

『wwでも確かに、こんな男性なんていないから、青様は異常だよ。いい意味で』


 おかしいと言われたけれど別にそれは悪い意味じゃなくて、いい意味でおかしいみたいだ。


 良い意味でおかしいってそれも変だけれどね。


 質問を捌いていくと、結構いい時間になったのでここら辺で終わりにする。


「今日はこの辺で終わりかな。じゃあ、みんなまたねー。お金貯めといた方がいいかも。ライブも見に来てくれると嬉しいな」

『絶対に見る』

『死んでも買う』

『例えそれが1000万だったとしても、借金して買うから』

「じゃあ、またね。みんな」


 配信を切って、tritterへと今日の配信の感想と告知の画像をtreetしてから、エゴサーチをする。


 トレンドにはまた軒並み僕のことが書かれていて、嬉しくなる。


 あぁ、ライブの日がとっても楽しみ。

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