第100話
月日は少し流れて、ASMR作品とシチュエーションボイスの収録日となった。
別に家でとっても良かったんだけれど、気分的にスタジオを借りてやりたかったのでスタジオでやることにした。
スタジオ内には、スタッフの皆さんや理恵さんはいない。
スタジオ内にいたら、倒れてしまう可能性があるかららしい。どういうことやねん。
シチュエーションボイスのシナリオは凄い人が作ってくれたみたいで、女性の心をキュンキュンさせるものが作られている。
一通り読んだけれど、演技する僕が照れてしまう位なので、すごく好評になるだろうな
「さて、じゃあやりますか」
ASMRマイクに口を近づけて、優しく囁く。
「リスナーのみんな、こんにちわ。このASMRを買ってくれてありがとうね。公開させない様に一生懸命するから、気持ちよくなってね。じゃ、まずお耳のマッサージをしていくよ」
ゆっくりとダミーマイクの耳を本物のようにほぐしていく。
いつもは配信のコメントとかがあったりしたので、反応とかが分かったけれど今は全然分からないので、少しだけ不安がある。
「じゃあ、次は反対側もしちゃうね」
ゆっくりと丁寧にしていく。
その後、耳かき、ジェルボールなど様々なことをしてから、今日のメインのことをしていく。
記念なので、耳舐めも解禁していいか理恵さんにお願いして何とか承諾してもらったので、耳舐めをしていく。
「みんなの、お耳、食べちゃうね」
ゆっくり嬲るようにして、耳をなめていく。激しくしたり、ゆっくり目にして緩急をつけてみたり、奥を重点的に攻めてみたり。
リスナーの反応を想像しながら、なめていく。
気持ちよくなってくれていると良いんだけれど。
両耳を舐め尽くして、想像のリスナーがコメントを打てなくなるくらいしてみた。
後で理恵さんにNGくらうかもしれないけれど。
さて、次はシチュエーションボイスを撮ろうかな。
「お帰り、疲れたでしょ?ご飯作っておいたから一緒にたべよ?」
このシチュエーションボイスは僕がリスナーの彼氏役ということになっていている。
コンセプトとしては、僕との日常という者になっている。
「はい、あーん。どう?美味しい?」
リスナーのみんなとは同棲しているっていう体で話が進んでいき、僕は終始リスナーちゃんに甘えているっていう設定だ。
だけれど、配信上では彼女なんていないってなっているから私だけの僕っていう背徳感も得られるという代物で、理恵さんがこのシナリオを読んだときは随分と興奮していた。
シナリオも終盤になり、僕が配信を終えて一緒に寝るっていうシーンまで来た。
「今日もお仕事お疲れ様、君がいるから毎日楽しいし、幸せだよ」
とベッドの中でそう呟く僕。
「いっぱい寝られるようにギューってしてあげるね。あ、駄目だよ。今日はそういうエッチ、なことはしないよ?」
ベッドの中で少しだけイチャイチャして、
「お休み、僕だけの君。愛しているよ」
そう言って最後にリップ音を鳴らして、頬にキスをした感じを出してこのシナリオは終わる。
なかなかに恥ずかしかったけれど、結構いいものが撮れた気がする。
リスナーのみんなが喜んでくれると良いな。
僕が撮ったASMRとシチュエーションボイスは、編集されて後に世に出されることになるが、編集さんが何度も悶絶して倒れてしまったのはまた別の話。
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