第90話
「着いたー!!」
「着きましたね」
アリシアの別荘に着くことができた。
僕は今、アリシアの家の別荘に来ている。
アリシアたちから「海に行きませんか」と言われたので当然断る理由もないので承諾したら、なんとアリシアの家がプライベートビーチを持っていたみたいでそこに行くこととなった。
アリシアの家って本当にすごいんだなと改めて思った。
「それじゃあ、各々荷物を置いて、水着に着替えてから行きましょうか」
「そうだね、じゃあ僕の部屋は............」
「私と同じ部屋でも構いませんよ?」
とアリシアが積極的に僕に迫ってくる。
「あ、ずるい。私も祖師谷君と同じ部屋がいい」
「私も」
「私もそれは譲ることができません」
とバチバチと火花を散らす四人。
「私は蒼様の護衛ですから、当然相部屋なので三人くらいが寝泊まれる部屋がいいですね」
「何当然のように、自分は同じ部屋だって思ってるんですか」
「護衛ですから」
「理由になってない」
白金さんもその中に入り、より苛烈さが増すけれど一つ疑問がある。
「結構部屋がありそうだし、一部屋ずつ使っちゃダメなの?」
「...............あ、生憎今は四部屋しか空いていないので誰か相部屋をしなくてはいけなくて」
と目を逸らしながらそう言うアリシア。
なるほど、僕と一緒の部屋になりたいって訳か。僕としては別に悪くないけれど、できれば仲良く決めてもらいたいな。
「じゃあ、公平にじゃんけんで決めてほしいな」
「分かりました。異論はありませんね?」
「うん」
「はい」
「分かりました」
「勝ちます」
そして勝負の結果は...............。
「か、勝ちました。やりましたよ祖師谷様」
「良かったね、アリシア」
勝負の結果、アリシアが勝ちをもぎ取ったようだ。
その後、それぞれの部屋に荷物を置いて水着に着替えようと思ったけれど流石にアリシアの前で着替えるのは恥ずかしかったのでアリシアにはエリーの部屋で着替えてもらうことにした。
そして、着替えてみんなを待っていると...............
「お待たせしました」
「ごめんね、待たせちゃって」
振り返ってみると、それぞれ個性あふれる水着を着ていてそのどれもがその人に合っていて素晴らしいものだった。
「アリシア、その白い水着、良く似合っていてとっても綺麗だよ見惚れちゃった」
「そ、そうですか。それは嬉しいです」
「由利もスタイルがいいからとっても似合っていて大人だなって感じがする」
「あ、ありがとう」
「エリーは、すごくその.............エッチだと思うけれど、エリーさんもスタイルがいいしドキドキしちゃう」
「ふふふっ。ありがとうございます。沢山見せてあげますからね」
「愛梨さんも真っ赤なその.........エッチな水着だけれど、ついつい目で追っちゃうくらいには似合ってるよ」
「ありがと、もっと見て」
「白金さんも、その真っ白いビキニ、すっごく似合ってる。可愛いというより格好いいです」
「そ、そうですか」
それぞれ五人、個性あふれるものを着ているが、どれもその人に合っていてすごく良い。
「それじゃあ、早速行こうか」
プライベートビーチはすぐそばにあるので、別荘を出てすぐに入ることができる。
僕は来ていたラッシュパーカーを半分程度脱いだところで.........
「ちょっ、祖師谷様」
「祖師谷君、いきなり脱がないで!!」
「頭がくらくらする」
「祖師谷様大胆ですね!!」
「蒼様!!」
とみんなにいきなり止められてしまう。
何がいけないんだろう。
「どうしたの、みんな?」
「脱ぐなら脱ぐとおっしゃってください。私たちには心の準備が必要です」
「そうです。男性の上裸を見るんです。興奮しすぎて頭がおかしくなってしまうのですからゆっくりお脱ぎください」
とエリーとアリシアに窘められる。
そう言うものなのか。
「じゃあ、もうちょっと待つから。準備が出来たら言ってね」
「は、はい」
いわゆる僕は半脱ぎのような形で止まってしまっている。
数十分の時間を要してやっみんなは気持ちを落ち着かせることができたのか覚悟を決めた面持ちで僕の方を見る。
「お願いします」
「じゃあ、脱ぐね」
ラッシュパーカーを脱ぐ。
アリシアたちの方を見ると、穴が開かんばかりにジィっと僕の方を見てきていて、正直少しだけ怖い。
「ここにエデンがあったんですね」
「す、すごい。筋肉が.........」
「最高」
「ベッドの上で、あの逞しい腕で抱かれるんですね。妄想しただけでもぅ.........!!」
「蒼様の護衛で心から良かったです。これからも何卒宜しくお願い致します」
口々に僕を崇め始めたので、みんなを一旦落ち着かせようと前に出ると、「ヒェ」っと声を出して由利さんが鼻血を出して倒れてしまう。
大丈夫かと駆け寄ると他の人にも伝染して、みんなバタバタと倒れていく。
辛うじて倒れなかったのは、流石僕の護衛である白金さんと、アリシアさんお付きのメイドであるエリーだけだった。
他の三人はダウンしてしまって、幸せそうな顔で寝ている。
「一旦、海に入るのは中止ですね」
「そ、そうですね」
一度も海に入ることはなく、別荘へと引き返すこととなってしまった。
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