第89話
「みんな、こんにちわ。久しぶりだねー」
『本当に久しぶりだよぉー』
『青君最高」
『青君しか勝たん』
「みんな、ありがとー。そう言えばもう僕のあの疑似デートの動画見てくれたかな?見てない人は見てくれると嬉しいな」
数日前くらいに編集されて出されたあの疑似デートの動画はかなり好評みたいでというか好評すぎたみたいで社会に大きく影響を及ぼしたみたいで少しだけ自重をしようかと考えている。
『そんなのもう何百回でも見たよ』
『青君の彼女だもん。たくさん見るに決ってるじゃん』
『青君、本当に最高の彼氏さんだね。愛してるよ』
すごい数や速さのコメントが流れていく。
あの動画を公開した後に質問箱は『結婚何時にしますか?』とか『付き合って一か月記念日だけれどどこ行こうか?』とか色々送られてきて少し焦った。
何よりもやばかったのは女性の秘部を自分でとって送ってくる人の数が圧倒的に増えたことだな。前にも少しだけいたけれど。
「たくさん見てくれているみたいで良かった。好評みたいだったけれど、次の動画の予定は未定だから結構先になっちゃうかも。それに、社会機能が大きく低下しちゃったみたいで少し反省している」
『次のデートに早くいきたいけれど、それならばしょうがないね。楽しみにしてる』
『そう言えば、動画出された翌日とか電車止まってたりしたし、学校も休みになったりしてたから青様って本当にすごい』
『反省なんてしなくていいから、もっと過激なもの欲しい』
『反省なんてしないで。私たちの問題だから』
いろいろ意見があるけれど、それはまた今度。
今日は、この後すぐに出る新曲について話さないといけないからね。
「それで、みんな。今ここにいるみんなは多分知ってくれているひとがほとんどだと思うけれど、この後、配信が終わったら僕が歌っている動画を出すから」
『待ってました』
『デートよりワンチャンこっちの方が威力が高そう』
『私は明日会社に行けるか心配になってきました』
『青様が私を天国に導こうとしてる』
歌ぐらいで死にはしないだろう............とは思えないのが少しだけ怖い。
リスナーのみんなは僕があそこの国を滅ぼしてほしいとか言ったらあらゆることをして本当に破滅させそうだからね。
「作曲してくれたのは、シュガーさん。シュガーさんも有名な人だから一緒に作ることができて嬉しかった」
『シュガーさんと曲を出すなんてびっくりした』
『シュガーさん、曲投稿するだけであんまり treetしない人だから、良く分からない』
『あの人職人っぽいもんな』
多分、それはどうでもいいからだと思うけれど。
「凄く格好いい曲だから、みんな聞いてくれると嬉しいな」
『絶対に聞く』
『聞くまで死ねない』
『私だけで百万回再生させてあげるから』
とみんな興奮したようにコメントが速くなる。
「まぁ、これで告知は終わりなんだけれど、そうだな。この歌が好評だったら次も歌の動画出すから、何かこれ歌って欲しいとかあったら質問箱に送って欲しいな」
まぁ、歌の動画とかの話も含まれてはいるがライブで歌う曲のリサーチにもなるため何気なく聞いてみる。
まだ、ライブするなんてみんなに伝えてないからね。
どの曲が一番多かったかは、後々理恵さんとかスタッフの人が集計してくれるだろうからそれを見よう。
本当に、理恵さんやスタッフの皆さんには感謝しなければ。
こんど何か送らないと。
「それじゃあ、もうすぐプレミア公開も始まっちゃうし今日の配信はここまでだよ。みんな、感想とかをSNSとかで呟いてトレンド1位にしてくれると嬉しい」
『もうなってるww』
『もう青君で埋め尽くされてるよ』
『出る幕なんてなかった』
tritterを見てみると本当に僕に関してのハッシュタグで覆いつくされていた。
「え、えーとじゃあ。お歌楽しんでくれるととても嬉しいなって思う。次はいつ配信するか分からないけれど、また来てくれると嬉しいな。じゃあ、またね。バイバイ」
『またね、青君』
『バイバイ。絶対百万回聞くから』
『お歌ものすごく楽しみ』
『青君、大好きだよ』
『愛してる』
僕は名残惜しいが配信を閉じて、tritterに今日の配信の事とお歌についてtrieetしてから、動画の待機場へ。
待機場にはもう百万人近くが待機している異常事態が発生していた。
コメントではいつも通り『青君、大好き』とか『ワクワク』とか楽しみにしているコメントで溢れかえっていた。
そして、カウントダウンが終わると、曲が始まる。
曲が始まると同時に大盛り上がりを見せるが、段々と曲が進んでいくにつれてコメントの投稿されるスピードが落ちている。
もしかして、不評なのか?と思ったけれどコメントをしてくれている人たちはたくさん誤字をしながらも最大級の賛辞を送ってくれている。
動画が終わり、tritterを見てみると僕の曲について語っている人が多すぎてサーバーが重くなりすぎている。
どうやら、動画中にコメントなんてしている暇はないくらい感動してくれたり、たのしんでくれたりした人が多数のようだ。
明日は、正常に社会が回りますようにと願いながら、僕は眠りにつくことにした。
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