第88話
「さて、ここに集まってもらったのは他でもありません。ここにいる人全員が青様の事が好きな人たちです」
ここには、由利、愛梨、白金紗里、シュガー、莉々、柚乃、未恋、エリー、アリシア、梨美、風花の青と親密な関係を築いている大体の女性がアリシア邸に集合していた。
蒼の母親は、どうしてもの仕事が入ってしまっていくことが出来ないようだ。
ここにいる恋する乙女たち全員は、真剣な表情でお互いがお互いを観察している。
「初めましての方もいるでしょうから、蒼様との軽い馴れ初めと自己紹介をしてもらいましょうか」
アリシアがそう提案すると皆が頷く。
「では、最初に私から。私はアリシアアッシュフィールドと言います。そうですね、蒼様との馴れ初めは、蒼様の配信を見たことがきっかけで、海外から祖師谷様に会うためにここ日本まで来ました。お手柔らかにお願いします」
綺麗に一礼をして席につくアリシア。その顔には余裕の表情をうかべている。
「では次に私が。私はエリーバートレット。アリシア様の御付きのメイドです。そうですね、私も祖師谷様を知ったのは配信からですが、祖師谷様の存在をアリシア様に教えたのは私ですから、私の方が祖師谷様に深い愛情を持っていますね」
「エリー。愛というものは、長ければいいというものではないですから!例え短くても私の恋は誰よりも大きいと言えるでしょう」
「熱しやすくて冷めやすいの間違いでは?」
「冷めることなどありません!!」
エリ―がいつものように、アリシアを揶揄いその場の空気を少し弛緩させる。
「じゃあ、次は私かな?私は祖師谷君と同じクラスの由利です。祖師谷君との馴れ初めは、私が誰よりも早く祖師谷君が青様だと気づいて、接触したことがはじまりかな」
その後も、愛梨、梨美、白金、風花、莉々と続き..........
「私は、楽曲製作者のシュガー。聞いた事がある人もいてくれると嬉しいというか、青が曲の告知してたから知ってると思う。青との馴れ初めは、私も配信から知って、楽曲制作をお願いされたことから。ちなみに、頬にキスまでは済ませてるからよろしく」
「「「「」」」」
シュガーが何気なくそう言うと、ピキッと空気が軋む。
「しゅ、シュガーさん。それ本当ですか?」
「私は嘘はつかない」
「っく。この幼女、まったく侮れません」
「無表情女、いつの間にそんなことを!?」
シュガーが一目置かれるようになる。
「じゃあ、次は、わ、私ですか?私は釘宮柚乃です。馴れ初めは祖師谷君がクラスへ一日だけ編入してきたときに、ほんの少しだけですが仲良くなったことです」
「ちなみに、釘宮さんは、頬にキスとかは?」
「そ、そんなの恐れ多くてできません」
みんなはほっと息をつく。
「次は、私かな?私は常陸未恋です。保健室の先生をしています。馴れ初めは柚乃ちゃんと一緒かな。正直、祖師谷君に意識されてるなんて思えていないけれどよろしくね」
「ちなみに、常陸さんは?」
「してないですよ」
みんなが、ふぅと安心したような声を漏らす。
「さて、みんな自己紹介も済んだことですし、少し交流をしましょう。皆さんとはこれからも関わっていくでしょうから。祖師谷様も妻となる人たちが犬猿では嫌でしょうから」
「そうですね、祖師谷君を困らせたくはないですから」
「では、それぞれグループに別れましょう。なるべく知らない人同士が絡むようにして」
それぞれ皆が動いて、グループを作り交流を始める。
「私、シュガーさんのこと元から知っていてファンだったんです」
「そうなの。ありがとう由利」
「あの?シュガーちゃん。私のお膝がいいの?」
「うん」
シュガーが未恋の膝に乗ってきて、未恋は若干困り顔だ。
「本当は、青の膝の方がいいけれど」
「え!?シュガーさんいつも祖師谷君の御膝に乗っているんですか?」
「うん。すごく気持ちいい」
「うぅ、私も乗せてくれるかな?」
シュガーは未恋のおっとりとした優し気な雰囲気が気に入ったようだ。
未恋も最初は戸惑っていたが、いつの間にか可愛く見えてきたようで頭を撫でている。
由利は青の膝に乗る妄想をしていて、頬がだらしなくなっている。
さて、他のグループは..........
「莉々さん、祖師谷様に壁ドンされていましたけれどどうでした?」
「ものすごくドキドキした。もう、心臓が飛び出るんじゃないかってくらい」
「私も今度お兄ちゃんにしてもらおう」
「うわぁ。そっか、梨美ちゃんは妹だからいつでもしてもらえるもんね」
「ずるい」
「そうですけれど、中々言うの恥ずかしくてできません」
こちらはアリシア、莉々、梨美、愛梨の四人のようで、青とのコラボ配信について話し合っている。
「梨美ちゃんの方こそ、青様に家で何かしてもらってるんじゃないの?配信の時だって、その..........お胸触ってもらってたし」
「そうですね..........一緒に寝たり、いろんなところペロペロしたりしました」
「「「何それ詳しく!!」」
こちらもこちらで盛り上がりを見せている。
さて最後のグループは..........
「前から思ってましたが、風花様は蒼様にとても可愛がられておりますよね」
「え?」
「確かに、シュガー様とは別ベクトルの小動物感がありますね」
「ええ!?」
「わ、私、根暗で色々大きいから、風花ちゃんのように小柄で小さい子ってずるいって思う」
「えええ!?」
エリ―、紗里、柚乃、風花の四人のようだが、風花が嫉妬されているようだ。
「今の反応だって、物凄く可愛らしいです。確かに祖師谷様が可愛がりたくなる気持ちも解ります。私にはこれが必要なのでしょうか?」
「わ、私がその行動したら気持ち悪いかも」
「やってみなくては分かりませんよ、柚乃様。一度、風花様にご指導してもらって実践してみませんか?」
「そ、そうですね」
「ナイスアイディアです、白金さん」
「ええええ!?」
エリ―、紗里の組み合わせがどうもものすごくいいみたいで、風花が手玉に取られているようだ。
柚乃は、こそっと風花のような可愛い反応を練習している。
そんな風にして、それぞれが交流を深めていると、時間というものはあっという間でもう夕暮れに近づいていた。
「まだ話したりないと思いますが、今日はここまでですね。また次の機会があるでしょうし、個人がそれぞれ連絡を取り合うでしょう。次にはまた女の人が増えているかもしれませんね」
「そうですね」
「というか、絶対そうなっているでしょう。祖師谷様の意思には関係なく女の人を惹きつけてしまうでしょうから」
「次は何人になっているでしょうね」
それぞれが考えてみるが意外と増えて居なかったりと考えるものがいれば、二十人を超えると考えている人もいる。
「さて、それじゃあ遅くなってもいけませんし。今日はこれで解散。お疲れさまでした」
さて、次の時には何人になっていることやら。
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