第84話

「これ、すっごく美味しい」

「そうだね」

「ハイ次も。あーん」

「あーん」


 母さん、梨美、白金さんと代わるがわる僕の口に料理が運ばれて、一切自分で食べさせてもらえない。


「母さん、梨美、白金さん。自分の分も食べないと」

「そうだね。じゃあ、食べさせてもらおうかな。あーん」


 梨美が口を開けるので、してもらったからには返さないといけないのであーんをする。


「美味しい。お兄ちゃんに食べさせてもらうと格別だね」

「ずるい。私も」

「私もお願いします」


 母さんと白金さんにも分けてあげると、美味しそうに食べてくれる。


「美味しいものが、蒼ちゃんにあーんされたからもっと美味しくなっっちゃう」

「そうですね。これは凄いです」


 その後も食べさせ合いは食べ終わるまで続いた。


「すごく美味しかったね」

「そうだね」

「蒼ちゃんにあーんしてもらっちゃった」

「蒼様にあーんしてもらえるなんて、幸福の極みでした」

 

 夕食を楽しく終えてから、お腹を休めてから今日のメインのお風呂の話になる。


「男性専用のお風呂は、確か一階にあったけれど僕はここの景色がすごくいいから部屋のお風呂に入ろうかな」

「……ほんとに?」

「うん」

「じゃあ、私も一緒に入って良い?」

「え?」


 と自然に梨美がそう言ってくる。


「だって、このお部屋のお風呂なら二人くらい全然余裕だし」

「それはそうだけれど」


 いいのか?

 

 相手は、妹だ。この世界では妹とそういうことをしても良いし、結婚もしても良いとはなっているけれど……


「エッチなことは、しないから。お願い」


 と、猫のように甘えてすり寄ってくる梨美。


「ずるい。私も、入れて」

「え?

「私は蒼様の護衛なので、最初から一緒に入ることは決まっていましたからね」

「え!?」


 梨美に加えて、案の定母さんと白金さんが加わり一緒に入ろうと迫ってくる。


「家族の親交をもっと深めよう?ね?蒼ちゃん」

「そうだよ?私、最近、寂しかったんだから」

「私は、蒼様にずっと付いていましたから寂しくはありませんが、私だけ仲間外れは......嫌です」


 三人にうるんだ瞳で迫られ……


「分かった。でもちゃんとタオル巻いてね?」

「やったー!!お兄ちゃんとお風呂」

「蒼ちゃんとお風呂なんて、幼稚園の時以来かも」

「私は初めてですね。蒼様の上裸を見ることも」


 白金さんがじぃっと僕の体を嘗め回す様に見ている気がするけれど、きっと気のせい。


 流石に、着替えは別々にして、僕が先にお風呂へと入る。


 その後に、三人が入ってくることになった。


 体を洗っていると、浴室が開く音がする。


 ペタペタと三人の足音が僕の方へと向かってくるのが聞こえる。


「お背中、お流ししますね」


 と柔らかいものがあたって僕の背中で形が変わる。


 それから僕の両腕にもそれぞれものすごく柔らかいものがあたる。


「ちょ、三人とも?」

「体洗ってあげるから動かないでね」

「私たちにお任せください」

「綺麗にしてあげるからね」


 三人に、秘部以外すべて綺麗に洗われる。


 途中、太ももを梨美が、はぁはぁと言いながら撫でていた時はどうなるかと思ったけれど、無事に洗い終わった。


「蒼ちゃん、綺麗になったね」

「じゃあ、次は私たちの番かな?やってくれると嬉しいなぁ」

「厚かましいかもしれませんが、どうか」


 と三人がタオル越しにもわかるくらいの魅力的な体をこちらに向けてきたので、興奮を抑えながら頷く。


「じゃあ、まず梨美からね」

「はーい」


 背中から順番に洗っていく。


 最初は梨美も声を我慢していたが、段々と呻くようにか細く喘ぎ小声のようなものを太ももを洗っているときから出し始め、最終的には我慢せず「んっ......あぁ」と出している。


「流石に、胸とあそこは自分でやって」

「えー、お願い」

「だーめ」

「ぶー、まぁ今日はこれで我慢しよう」

「じゃあ次母さんね」

「やったー」


 母さんの体も梨美と同じくらい肌の艶があり、若々しくだが、梨美より大人の色気があって、梨美からの連戦によって体力をかなり消耗していたが、どうにか抑えてすべて洗い終わる。


「それじゃあ、最期。白金さん」

「ありがとうございます。お願いします」


 白金さんのうなじがちらりと見えて、僕の理性が刈り取られそうになるが我慢する。


  無心だ。


 白金さんの体を綺麗に洗っていく。だが、もうまり余裕はなかった。


 梨美と、母さんでかなりのメンタルゲージを削られていたところに、さらに普段クールな白金さんが僕が触って、くぐもった喘ぎ声を出しているところにもう限界寸前だったが、いつも由利達に囲まれていることによって鍛えた自精神によって、繋ぎ止め無事、洗い終わった。


 やっと、お風呂に浸かる。


 昼間の足湯の時と同じように胡坐で座った僕の上に梨美が乗り、隣に白金さんと母さんが寄り添う形だ。


「すごい、綺麗だ」


 まるで自然に溶けこんだかのような感じで、心を奪われる。


「母さん、今日連れてきてくれてありがとうね」

「そう言ってもらえただけで、十分だよ、蒼ちゃん」


  今日は疲れることも沢山あったけれど、とても楽しい一日だった。


                            

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