第81話
「みんな、おはよう」
「おはよう」
「おはようございます」
「おはようございます」
由利さん、愛梨さん、エリーと私で、今日は買い物に来ました。
ちなみに祖師谷様はいらっしゃいません。あの方は多忙ですしサプライズを含めておりますから、心苦しいですけれど私達だけの買い物です。
では、具体的に何を買うのかというと、水着です。
祖師谷様にはまだ伝えておりませんが、私の家がプライベートビーチを持っているのでこの夏、祖師谷様を含めた五人で遊ぼうと考えているのです。
近くに別荘もあるので泊まることも可能ですから、祖師谷様と一緒のベッドで寝るとか..........?少しはしたないでしょうか。
とにかく、そこで大事なのは水着です。
祖師谷様は胸が大きい人がお好きなようなので、私もその好みに入っていると思うのですが、少し心配です。
由利さんとかの方が少し大きいような気がしますし。
ですが、くびれやお尻は負けてませんから。
「アリシア、どうしたの?」
「いえ、何でも。由利さん。少々失礼します」
「キャッ」
由利さんの胸をもみもみと揉んでみます。
ふむふむ、これは..........悔しいですが負けましたね。
他の男性にとっては、女性の胸が大きいというのは大きなマイナスですが、祖師谷様に限っては違いますから。
この胸が、他の方に比べ小さいことを嘆いたのは初めてかもしれません。
大きいことが少しコンプレックスでもありましたから。
「ふむふむ、これは、中々」
「由利、いいね」
「ちょ、三人ともやめてぇ」
由利さんの胸を三人で揉みしだいてしまい、由利さんは艶っぽい声をあげてしまいます。
「もぅ、三人とも?」
「すみません、少し。羨ましくなってしまいまして」
「そうですね、ずるいです」
由利さんは、体を抱いて身を守るような態勢になる。
「まぁ、良いけれど。それよりも早く行こう」
「そうですね」
四人で仲良く歩きながら、目的地の水着売り場へ。
いろいろなタイプのものがありますけれど、どれがいいのでしょう?
祖師谷様は、私が何を着ていればを私の事をより見てくれて、意識してくれるのでしょう。
際どい物を選べば確かに、祖師谷様からの注目を集めることはできますが、はしたない子だと思われるかしれませんから。
ですが、祖師谷様はエッチなお方でもありますから、それも受け入れてもらえるかもしれませんし。
あれでもない、これでもないと探し回りますが、中々決まりません。
「アリシア様、私はこれにします」
エリーが手に取ったものは、最低限のプライベートゾーンしか隠れていないような通称マイクロビキニと呼ばれるものです。
真っ黒のマイクロビキニで、エリーのスタイルにも合っていますし、ここぞという時にエリーは押していく性格なので、迷いがありません。
「では、少し試着してきますね」
さて、私はどうしましょうか。
これ、とか?
私が手に取ったものは、ハイネックのワンピース風の白い水着です。背中は見えるようになっていてすこし大胆になっています。
試着室に入り、一度鏡の前に立ち見てみるとかなり私とマッチしているように思えます。
エリーを呼んでみてもらうと
「アリシア様、かなりお似合いですよ」
と他人から見ても良いみたいです。こういう時、物怖じせず意見を言ってくれるエリ―だからこそ信頼できる。
よし、私はこれにしましょう。
「エリーは、結局あれにしたんですか」
「はい。これで祖師谷様に密着すれば、祖師谷様は慌ててくださりそして私のことを意識してくれます」
「なっ、私だってこの水着を着て祖師谷様にくっついちゃいますから」
エリ―には負けません。もちろん他の人にも。
「あ、二人とも決まったの?」
「はい。決まりました。由利さんと愛梨さんも?」
「うん。私はそんなに大胆なものは着れないから、普通の水着にしちゃた」
と、買ったものは真っ黒なビキニのようです。
愛梨さんはというと、真っ赤な際どいランジェリータイプの水着のようです。
前から思っていましたが、エリーと愛梨さんはどこか似ているように感じます。物静かに見えて大胆なところとか。
「さて、水着も買い終わりましたしどこか行きますか?」
「お腹も丁度空いてきましたし、カフェでお話でもしながらとかどうです?」
「賛成、じゃあいこう」
近くのカフェに行き、それぞれ注文して雑談を始めます。
「こうして、ゆっくり四人で話すなんて、初めてだね」
「そうですね。いつもは祖師谷様を中心にしていますし、四人で遊ぶこと自体初めてですから」
「そうですね」
きょうを機に、祖師谷様の婚約者候補である由利さんと愛梨さんとの仲をより深めなければなりませんし。
「さっそくですが、私たち以外にもどれほど祖師谷君の婚約者候補の方たちはいるのでしょうか?」
「私も、把握できていないんだけれど、私が知っている限りでは祖師谷君の妹も婚約者候補だね」
「祖師谷君は、配信業もしていてあの莉々っていう配信者とも仲がいいでしょうし」
「二桁行かないくらいにはいるんじゃないでしょうか」
これからも、祖師谷様が祖師谷様である限り、本人のその気がなくても勝手に増えていくでしょうし。
困ったものですが、祖師谷様にそれだけ魅力があるというのは花嫁候補として鼻が高いですね。
「白金さんに聞いて、今度、婚約者候補たちで一度集まるなんていいかもしれませんね」
「いいですね。ぜひやりましょう」
その後も、私たちの話は祖師谷様の事ばかりでしたが、私たちがいなかった時の祖師谷様の事や、祖師谷様の好きなところを言い合い、熱い話し合いなどをしましたが、今日は有意義で楽しい一日となりました。
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