第79話
「「「「祖師谷君(様)、おかえりぃー(なさい)!!!」」」」」
他クラスへお邪魔すことも無事、みんなに喜んでもらえて大好評で終了することが出来た。
そして、僕は元のクラスへと戻ったのだが..........
僕が教室に入るとみんな涙を流して僕の周りに寄ってきた。
「祖師谷君がいない間、私たちは祖師谷君の大切さを改めて認識したよぉ」
「祖師谷君はこのクラスの空気清浄機だったんだね。すごい、祖師谷君がいるだけでここが天国なんだなって思うよ」
「祖師谷君、最高」
「生祖師谷君、しゅごい」
「祖師谷君、しかかたん」
「祖師谷様、心よりお慕い申し上げております」
「祖師谷様、私はあなたに絶対の忠誠を」
クラスのみんなが僕をそんなに必要としてくれているのが分かって、凄く嬉しくなってしまう。
「みんな、ただいま」
「「「「「おかえり」」」」」
笑顔でみんなが出迎えてくれてすごく嬉しい。
僕がいない間の事を由利に聞くと、日を追うごとにクラスの雰囲気がどんよりとして、じめじめして、最悪の空気でみんなが「そしがやくん」とゾンビのように呻いていたらしい。
僕は薬物か何かなのかな?
みんなと一通り挨拶を済ませて、席に着きいつも通りのメンバーと他愛のない雑談をする。
「あ、そう言えば。これ、知ってる?」
「なに?」
由利がスマホをこちらに見せてきたので、見てみるとそこには見出しに『配信者の青を崇拝!?』と書かれているものがある。
読んでみると、どうやら僕を神とした宗教が作られたみたいだ。
どういうこと?
「祖師谷様レベルになれば当然と言えますね」
「そうだね、祖師谷君は本当に神が作った天使だしね」
まぁ、この記事を見た限り僕を使った悪徳商業とかではなく、慈善事業をしているみたいだから、別に気にしないけれど一応、理恵さんにも聞いておこう。
*****
学校を終えて、家に帰宅する。
「お兄ちゃん、おかえりー」
「ただいま、梨美」
「んふー」
いつものように抱きしめられるので抱きしめ返してから、自室へと戻り理恵さんに宗教の事について話す。
理恵さん側ももちろん把握していて、調査したところ特に怪しいことはしていないが引き続き監視をしておくと言っていた。
『青様、しゅがーさんからもうすぐ曲が完成するとのことです』
「了解です。ありがとうございます」
その後少し話してから、通話を終わらせる。
お風呂に入り、ご飯を食べてから、今日は配信をする。サムネとか、運営の人たちが作ってくれるから本当に助かる。
「みんなー、こんにちわー」
『久しぶりー』
『青君、お姉さん会いたかったよぉー』
『だいしゅきー!!』
『青様、いっつも格好いい』
ここ最近立て込んでいて配信ができず、あまり供給できていなかったためか、寂しかったというコメントが多い。
「ごめんね。最近立て込んでて。じゃあ今日は僕、ホラー苦手だけれど、頑張ってするから応援してくれると嬉しい」
『頑張れー』
『お姉さんが、守ってあげるから大丈夫だよ』
『お化けなんて私が倒してあげるからね』
早速、ゲームを起動させる。
最近話題になっているホラーゲームだ。値段が安くて、だがかなり作りこまれていると言われていて良作みたいだ。
起動してしてみると、山奥で車が故障して動かないため部品やオイルを探すところから始まる。
すると、探しているうちに真っ赤な化け物が出てきて僕は思わず「ヒッ」と情けない声を上げてしまう。
「ビビッて、ないから」
『wwww』
『そうだね、ビビッてないもんね』
『青君は強いから怖がらないもんね』
進めていくと、さらに追いかけてくる化け物は増えていき段々と脱出が困難になっていく。
「怖くない、怖くない。まったく怖くないから」
『そうだよー、怖くないよ』
『青君、頑張れー』
『可愛い』
みんなの応援と努力でどうにか部品を集めて、やっと車に乗り込み出発してゲームが終わりになるのか、そう思ったら。
音がするので後ろを振り向くと、化け物たちが乗っていて最後にドアップになり、ゲームは終了した。
僕は、怖すぎてその場で固まってしまい、放心する。
「ま、まぁ、中々怖かったんじゃないの?」
『強がってるのバレバレで草』
『強がっている青君も可愛い』
『青君、可愛すぎて、マジ天使』
はぁ、本当に怖かった。
「あ、そう言えばみんなまた近いうちにちょっとした報告があるかも」
『マジ?』
『何だろう』
『何をしてくれるんだ』
「それは、秘密、かな。楽しみにしててねー。それじゃあ今日の配信は、これで終わり。みんな、またねー」
『青君、行かないでー』
『またねー』
『またね』
配信を切り上げてから、tritterでツイートする。
トレンドとかを見てみると、もう僕の報告について議論されていたり、今日の配信の事について書かれている。
今日も好評みたいで良かった。
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