第67話
さて、今日は理恵さんや他の人と相談した結果、メンバーのみでのASMR配信を試しにしてみることとなった。
理恵さんにASMRを一度だけ聞かせてみると
「青しゃま.............しゅき、大しゅきだからいっぱいしてぇ」
とよだれを垂らしながらガクガクと震えて座ってしまった。
数分後、何とか持ち前の根性で復帰したけれど
「これは、ダメですね。一定の期間メンバーシップでやりましょう。あと絶対に耳舐めはNGです。女性たちが青様だけしか考えられないお猿さんになってしまいます」
と言われた。
流石に僕も理恵さん、梨美、白金さん、それに母さんがおかしくなってしまうほどの威力を持つ耳舐めはするつもりはなかったけれど、ただのASMRでもここまでの威力を持つなんて思わなかった。
まぁ、そんなわけがあってASMR配信は残念ながらメンバーシップ限定配信となる。
メンバーシップに入ってくれている人も異例の登録者数の八割を超えるくらいなので見れない人はほとんどいないし、さっき告知をしたから今はものすごい勢いでメンバーシップが増えている。
よし、それじゃあ、予定していた時間となったし配信を開始しますか。
「みんな、こんばんわ」
『青様、こんばんわです』
『青様のASMRめっちゃ楽しみ』
『最高に決ってる』
「ありがとね、みんな」
最初は普通のマイクにして、あとからダミーヘッドマイクに変える。
最初からしてしまうと特別感がないし、理恵さんによると威力が強いらしいから普通の声でならしていって欲しいらしい。
「あ、それとメンバーに入ってくれてありがとうね。これからもこういうASMR配信とかしていくから入り続けてくれると嬉しいなぁって」
『もちろん、入り続けるので安心してください』
『一生ついていきます』
『青様以外の事なんてみていませんから大丈夫です』
「ありがと、じゃあ今からマイク変えるからちょっと待ってね」
ゆっくりと焦らすように作業をして、ダミーヘッドマイクに変える。
「どうかな?聞こえる?」
右耳から一度喋ってみる。
『しゅごい、青様が耳元にいる』
『ヤバスギ』
『普通にここで死んでもいいんじゃないかって思えてきた』
「死んじゃだめだからね?」
反応はかなり良好みたいだ。
「じゃあ、こっちはどうかな?」
今度は左側で喋ってみる。
『あはっ、こっちにも青様が』
『最高』
『青様、そんなに近くにきちゃだめれす』
コメントの反応はあるけれどいつもよりは遅い。みんな多分、僕の囁き声で反応してくれているみたいで、コメントを打つ暇がないみたい。
「じゃあ、もう夜も遅いから寝ることが出来るように優しくしていくね?」
『絶対に寝れない』
『むらむらしちゃうんだけれど』
『青様が耳元にいるのに寝れるわけがない』
『青様大しゅき』
気持ちよくなって疲れを取りつつ寝て欲しいんだけれど、快感が強すぎるみたいで寝れないっぽい?
「じゃあ、やっていくね。まずは耳かきから。右耳からね」
ゆっくりと丁寧にしていく。
段々とコメントも減っていってたまに『しゅきぃ』とか『だいしゅき』とかコメントが流れてくるだけ。
みんな快感に酔いしれてくれているみたいだ。
それからジェルボールとかオイルでマッサージ、タッピングとかしたりとかいろいろしていると完全にコメントが止まっている。
寝てくれたのかな?
「みんな?寝ちゃったかな?」
僕が囁き声でそういうと数十秒って
『起きてるけれど、青様凄すぎてむりぃ』
『しゅきぃ』
『結婚してください』
『青様にお耳犯されちゃった.............』
というコメントがぽつぽつと出てくる。
「じゃあ最後にこれだけ」
僕がゆっくりと両耳にそっとキスをする。
このくらいなら多分大丈夫だよね?舐めてもいないし。
「今日はこれで配信は終わりだよ。次のASMR配信も楽しみにしててね」
そういうけれど、いつものように『お疲れ様』というコメントが流れない。
もしかして、止めを刺しちゃったのか?
まぁ、大丈夫だよね。インターネットだからラグがあるだけ、そう思うことにして配信を閉じる。
配信が終わった後のツイートもしてっと。
そのとき、理恵さんからの連絡来る。
『青様?』
「な、なんでしょうか?」
『耳舐めはしちゃいけないって私、言いましたよね?』
「耳舐めはしてませんよ?少しキスしただけです。配信を見てくれたお礼ですから」
『だから、それがダメなんです!!刺激が強すぎるんです。会社にいる蒼様の配信をみていた者はみんな幸福そうな顔で失神していますよ!!』
「あ、あはは...........よろこんでくれて何よりです」
『もぅ、青様ってば本当に!!..........はぁ、あ、そういえば莉々さんとのコラボの日程が決まったので後で送っておきますね』
「あ、よろしく願いします」
そこで通話が切れる。
ふぅっと一息ついたところに.............
「お兄ちゃん♪」
「り、梨美?」
後ろから強く抱きしめられる。
今まで以上に凄い抱きしめで少しだけ苦しい。
「お兄ちゃんのASMRしゅごかったぁ」
「そ、そっか」
目が完全に逝ってしまっている人の眼で焦点が定まっていない。この前に耳舐めした時もそうだった。
だけれど、この前よりも圧倒的にASMR時間も長かったので梨美も耐えられなかったみたい。
「私ね、お兄ちゃんの事がだぁーいしゅき」
「そ、そっか。僕も好きだよ」
「しょうなの?じゃあ、今日は一緒に寝ようね」
「あ、蒼ちゃん。梨美、一緒に寝るの?私もねゆ~」
母さんも案の定僕の配信を聞いていて出来上がった状態だった。
母さんと梨美に手を引かれて母さんの寝室へ。かなり大きめのベッドに三人で横になって寝る。
二人にすきまがないんじゃないかって程密着されて、どきどきしまくってしまう。
「今日はこのまま寝ようね?蒼ちゃん」
「お兄ちゃん、だいしゅき」
僕が配信でしたように耳元で喋って二人がちゅっと音を立ててキスをした。
その後、二人はぐっすりと寝てしまったみたいだけれど僕は全然寝れなかった。
あと、tritterのトレンドは僕のASMR配信の事だけで覆いつくされていたらしい
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