第59話
「あ、その.............えっと、おじゃましまーす」
「お邪魔します」
「あまり変なことをなさらぬようお願いします」
さっそく、放課後に家に二人を呼ぶことにした。
車の中では、白金さんが耳に胼胝ができるほど二人に変なことなどせぬようと念押しをしていた。
が、多分二人は緊張で聞いていないと思うけれど。
「えっと、白金さん。僕の部屋に二人を案内させておいて」
「分かりました」
僕はお茶とかお菓子とか持って行かないといけないし。
それに...........
「お兄ちゃん、おかえり」
「た、ただいま。梨美」
若干、薄暗い目で僕の方を見てくる梨美。
予め、梨美にはLIMEして二人が来ることを伝えておいたけれど、梨美は家に来させたくなかったみたいで、少しだけ拗ねている。
「二人と一緒に遊ぶけれど、梨美も一緒に来る」
「.............うん」
お菓子とお茶を取り出して、用意しつつ持って行こうとする僕の服をちょびっと掴んで一緒についてくる梨美。
可愛くて頭を撫でたくなるけれどできないのが残念。
部屋について、扉を開けてみると二人がそわそわした面持ちで座っていた。
「こんにちわ、愛梨さん、由利さん」
「あ、こんにちわ。梨美ちゃん」
「梨美ちゃん、こんにちわ」
梨美と由利たちが会うのは文化祭以来か。
「一つ聞きたいんですけれど」
「何?」
梨美が口を開く。
「二人はもうお兄ちゃんと付き合っているんですか?」
「え、いや、その.............」
「それは.............」
梨美から何でもないようにそういう。二人はきょろきょろと視線を彷徨わせ僕の方へと視線を向けてくる。
「二人とは付き合っていないよ」
「そうなの?お兄ちゃん」
「最近、全然遊んだり話したりしていなかったから遊ぼうってことに成っただけ」
「そうなんだ。ふぅーん」
「そ、そうだよ。はぁ.......」
「.............そうだよ」
二人が残念そうな声を上げて、少しだけため息を吐く。
ごめんね、二人とも。
今は、まだ出来そうにないから。
でも、終わったらちゃんと僕から言うようにするから其れまで待っていて欲しいと思う。
「じゃあ、ゲームでもしよっか」
「賛成、ゲームでもやりましょう」
「やるー!」
「私も」
「白金さんもしますか?」
「では、少しだけ」
そこからは五人で仲良く、大戦闘をすることに成ったけれど僕のキャラ以外が勝手に潰し合って、僕だけが毎回生き残る変な争いになった。
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