第57話
「最近、祖師谷君成分が不足してきている気がする」
「それは、本当にそう」
愛理は私の席の前の椅子を逆にして座ってそういう。
今日は祖師谷君が休みの日で、学校に来ていない。
「祖師谷君もいろいろ大変だしね」
「それもそう」
祖師谷君が青様だってバレてしまい、一騒動あったりして学校に来ない日が多く、やっと学校に来てくれたと思ったら、なんか護衛がいるし。
まぁ、白金さんとは仲良くで良そうだけれども。
だけれど、白金さんって祖師谷君の好みのような体型と顔してるからなー。
「といってもどうするー?」
「どうするってどうするの?」
「.............もしかして、私たちの関係って意外と希薄だったりして.............」
「それも.............そう、かも」
いや、ない........ともいいきれない。
確かに他のクラスメイトの子達よりは仲は良いと言えるけれど、今考えると遊んだこともないんだよね。
微かにあるのはクラスの文化祭の打ち上げのカラオケぐらい。
これって、もしかしてまずいんじゃないかな?
これ以上関係値が希薄になったら他の子たちと同じスタートラインになっちゃう。
「どうしよー!!」
「いっそ、祖師谷君を遊びに誘ってみる、とか」
「いや、祖師谷君と遊びに行くって危険じゃない?だって、祖師谷君すごく有名人だし。仮に有名人じゃなくてもあんな格好いい人他の女が放っておかないよ」
「うん」
「それに、祖師谷君、配信とか最近忙しそうだし」
「それも、そうだけれど。じゃあ.............」
「じゃあ?」
「祖師谷君のおうちにお邪魔させてもらう、とか?」
「え、えー!?それは、その......」
「気持ちは分かる。男の子の家に行くなんてすごく不埒でいやらしい子だって思われちゃうかもしれない。けれど、どうする?」
「私か愛梨の家に呼ぶとか?」
「それでもいいけれど、本当は?」
「本当はって............」
それは、私だって祖師谷君の家にお邪魔してみたい。
男の子の家だからって事じゃなくて、祖師谷君の家だから行ってみたいって思う。だけれど、それよりも変な子だって、汚らわしい子だって思われて嫌われちゃうほうがもっと怖い。
「分かるけれど、進まなきゃ。私達と祖師谷君のラブラブイチャイチャの未来のために」
「う、うん」
「もし勇気がないのなら、私だけ言って先に行っちゃうから」
「それはダメ!!私も勇気振り絞って言うもん」
もっと、関係を深めて意識してもらうんだ。
ぜ、絶対に言うんだから!!
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