第50話 閑話 私の王子様は
「絶対に約束を守ります。私の青様」
私は久しぶりに配信をしてくださった青様に頭を下げる。
青様の素顔が晒されて、青様が配信をしなくなってからわたしは頭がおかしくなりそうだった。
何も手に着かなかった。青様から依頼していただいた事も出来ないほどに。
もしもう青様が返ってこないならば依頼は無しになる。
別にお金が欲しいとかではない。青様に何かできることが私の至上の喜びだったのに。
あれは、何気なく動画を漁っていたある日の事。
急にお勧めに出てきた、男の子っぽい人がサムネに出ている配信。
視聴者数は異常な人数をたたき出している。
正直、絶対に釣りだと思ったけれども興味が出たので見てみると、なんとその男の子っぽい人は本当の男だった。どうやら名前は青というらしい。
それに、顔も凄く格好いいし可愛い。コメントで絡んでくるセクハラまがいのキモ女たちの事も優しく対応してくれたし、それに普通に配信が楽しかった。
他の男性配信者もいることにいるが全員と言っていい程傲慢だけれど、男の人を見られるならと配信には人が結構な人数来ていた。
が、今他の男の配信をみてみると、視聴者数が激減していた。
その人たちはこの人の配信に来ているんだろう。
顔は見えないけれどみんな一様に笑顔でこの配信を見ていると思える。
かくいう私も青様の魅力に捕らわれた。
いつも配信はまだかと時計を見る日ばかりが続いた。依頼されていた仕事やtritter用の絵も描きあがらなかった。
これはまずいと思った私は逆に青様を描いて落ち着こう。そう思って描いた絵はなんとバズって私の中の絵でも最多の良いねを獲得した。
けれども、それはどうでも良くて本人の青様に見て欲しくてたまらなかった.
その思いが届いたのか青様は配信で私の事を言ってくださって私の絵の事を褒めてくれた。
それに、なんとあの青様から依頼までいただけた。
私は喜びが脳天から突き抜けぴくぴくとしてしまった。青様が私を必要としてくれている。他の人とは違う。私を特別見てくれているという優越感も合わさり下が大変なことに成ったのは言うまでもない。
だけれど、突然にその幸せは奪われたのだ。そうさっきも言った通り青様が配信をしなくなった。
私はどれだけ青様に依存させられていたかを思い知った。タバコがやめられなくなるように、麻薬がやめられなくなるように、私も青様を求めることがやめられなってしまった。
私は過去の配信が擦り切れるまで見続けた。けれど、段々と私の正気が保てなくなりそうなときにやっと青様が配信をなされるとtreetしてくださったときは心の底から幸せを嚙みしめた。
私はもう、二度とこんなことが無いよう青様のおっしゃることは何でも聞こうとそう思った。
まぁ、別に私が晒したわけでもないのだけれど。
あぁ、青様。私は一生あなたについていきますからね
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