第39話

「じゃあ、またね」

「うん、またね。本当に文化祭楽しかった」


 カラオケ店で、クラスのみんなと別れ帰路に着く。


 帰ったら、流石に今日は配信は無しかなぁ。でも、明日はしないと。


 そんなことを考えていると、いつの間にか家についていた。


「ただいまー」

「お帰り、お兄ちゃん」


 僕が玄関のドアを開けた音をきいていたのか、リビングから梨美がやってくる。


「文化祭、お疲れ様。すっごく格好良かったよ」

「ありがと、梨美」


 梨美はすっごくにこにこしている。


「でもね、なんでこんなに遅いのかな?」

「え」

「私言ったよね?できるだけ早く帰ってきてねって」

「あ........」

「まぁ、分かるよ?クラスの人とも交流しないといけないもんね。文化祭のクラスの出し物大成功だったもんね。うちあげをしたい気持ちがあるのは分かるし、それに一番の貢献者であるお兄ちゃんがでなきゃいけないっていうのも致し方なくだけれど、分かる。でもね?」


 そういって、近づいてきて、鼻をくんくんと鳴らす。


「臭い、臭いなぁ。何この匂い。どうしたらこんなに匂いが付くのかなぁ?」

「そ、それは........」

「ねぇ?どうして?どうしてこんなに染み着いてるの?これって、由利さんと愛梨さんの匂いのじゃないものまであるよね?」

「えぇーっと........」

「………ふふっ、まぁ、今はいいや。それより、早くお風呂入ってきて。お話は、寝るときに、ね?」


 真っ暗闇で先が見えない瞳でそう言って、リビングに戻る。


 それからは、言われた通りお風呂に入り、僕の部屋で梨美を待つ。


 僕がいつも通りねる時刻の三十分程度前に部屋の扉がノックされる。


「入りますよ?」

「うん」

 

 梨美のパジャマはいつも通りのものではなく、際どい真っ白なネグリジェを着て現れた。


「あの.......梨美さん?」

「なに?お兄ちゃん。もしかして、興奮してくれた?」

「え、あ」

「興奮してくれたよね?」


 そう言って僕に近づいて、正座している僕に、対面で抱き着くようにして座る。


 コアラのような状態だ。


「お兄ちゃんのために買ったんだよ?綺麗?可愛い?エッチ、かな?」

「う、うん。梨美は可愛いよ」

「綺麗?」「綺麗だよ」

「エッチ?」

「うん」

「ふふっ、そっか」

 

 梨美はそっと僕の頬に手を添えて、真正面から僕を見つめる。


 梨美の眼は、相変わらず真っ黒で、先が見えないほどのどす黒い瞳だけれど何故かすごく綺麗だった。


「今日は、どうしてあんなに匂いがついていたのかな?」

「そ、それは」

「教えて?」


 有無を言わさない瞳で僕を見つめるので、正直に答える。下手に誤魔化すと一瞬でバレて、取り返しのつかないことになる。


 カラオケであった話を素直にすると、梨美は「ふーん」とそう言って、また僕の顔を見る。


 そして、うっとりした表情になり両手を僕の頬に添える。


「お兄ちゃん、やっぱりすっごく格好いいし、最高」


 でも、そういって


「他の女、私が認めてもいない女が無暗に近づくのは許せないなぁ」


 梨美は、僕の耳の方へと口を寄せて、舌をねじ込ませた。


 くちゅっという音を立て、僕が痛くならない程度に耳の中を蹂躙する。


「お兄ちゃん、今日は私色に染めてあげるね?」


 色っぽく、そう呟いて僕の頬に舌を這わせる。


 梨美が満足するまで股間以外のあらゆるところを舐められた。



 

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