第25話

「みんなー、久しぶりです」

『ほんとだよぉ』

『会いたくて、逢いたくて震えててたよぉ』

『ご降臨くださり、本当にありがとうございます』

『だいしゅき』


 最近は身の回りがごたごたしていたので、数日配信をお休みする形となってしまい、tritterで、心配する声がたくさん届いていて、心苦しかった。


「じゃあ、まず最初、少し雑談してから今日はゲームをしようと思いまーす。視聴者参加型にするから、気軽に入ってきてねー」

『りょーかい』

『たのしみすぎる』

『参加したいけど、ものすごい倍率だろうなぁ......』


 今日は、この世界で発売されているわいわいできる格闘ゲーム「大戦闘」をプレイしていく。


 ワイワイできる側面もあるが、ガチ対戦できるものでもあり、このゲームは幅広い層から愛されている。


 最初、適当にここ最近あったことを話し、いいころ合いになったので雑談からゲームに切り替える。


「この部屋番号だから、いれ......え?」


 いう前に、もうぞくぞくと入ってきていた。


「もしかして、漏れてた?」

『はやすぎだろ』

『早すぎ』

『漏れてなかったよぅー。早すぎ』


 どうやら漏れてはいなかったけれど、予測で部屋番号を当てられたらしい。


 ......普通に考えておかしいけれど。


「じゃ、じゃあはじめよっか」

『次、入りたいー!!』

『やりたすぎる』


 配信でするゲームは「大戦闘」

 

 なぜこのゲームを選んだかというと、僕は、このゲームが結構得意なのだ。なので、視聴者のみんなに少しでもいいところを見せられたらなって......そう思ってたんだけれど。


「強すぎるよぉ」

『普通にプロの人が乱入してて、草』

『大人げないwww』

『青君の、気弱そうな声......良い』

『そそる』

『お姉さんが、守ってあげるからね』

『いいぞ、もっとやれ』


 あんまりにも強すぎて、一ストックをぎりぎり落とせるかどうかなんだよなぁ。


 結構強い自信があったけれど、あっけなくその自信は砕け散った。


「次の方、どうぞー」

『青君、頑張れ』

『次こそ、勝てるよ‼』

『頑張れ!』


 次第に、僕がいつ勝てるかになっていき、格闘は一時間ほど続きやっと勝てた。


「じゃ、じゃあ今日のゲームはここまで」

『お疲れー』

『頑張った!!偉い!』


 まさか、こんなに時間がかかるなんて思いもしなかった。


「あ、そういえば」

『なになに?』

『どうしたのー?』

「もう少し、先の事になるけれど、報告できることがあると思うから。期待してまっててねー」


 企業に入ることと、それに付随してのメンバーシップの解禁とか。


「それじゃ、またねー」


 この後のtritterは、何の報告かを当てるものとなってお祭り騒ぎになっていたらしい

 

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