第24話
「由利、おはよう」
「おはよう、祖師谷君」
私に向かってちゃんと挨拶を返してくれる祖師谷君に胸がいっぱいになる。
「今日は体育の授業があるのかぁー。疲れる。ふぁー」
「眠そうだね」
「ちょっとね」
祖師谷君は何をしても可愛いし、格好いい。
デブな私を可愛いと言ってくれた祖師谷君。
胸が大きい人はデブだと笑われ、あんまりこの体が好きだとは思えなかったけれど祖師谷君のおかげで今は好きになれた。
祖師谷君は、不思議な人だ。
女性に対しても、普通に接してくれるどころか好感を持ってくれるし、その......
エッチなことにも寛容だし。
私が、一目見た時から何となく青君だと思い近づいてみると、実際に大きな胸が好きだと言っていて、思い切って押し付けてみると嬉しそうな反応をしてくれたし。
私は、祖師谷君の事が大好きだ。
これは、自信をもって言える。
だけれど、祖師谷君はモテる。
それはそうだ。あんな格好良くて、可愛くて優しくて、完璧な人がモテない筈がないんだ。
それに、毎日ラブレターを貰っているところも見てるし。
だから、
「祖師谷君」
「何?」
「祖師谷君の好みってどんな感じなの?」
「だから、前にも言ったじゃん」
「そうじゃなくて、髪型とか、料理ができる子とか」
「うーん、そうだなぁ」
そういった祖師谷君は、考え込み、数秒経って。
「髪はロングが良いかな、料理は自分でできるししてあげたいから別にできなくてもいいけれど......あ、でも一緒にできたら楽しそうかも。あと、僕の事を本気で好きな人かな?」
祖師谷君と一緒に料理......。
やばい、考えただけで楽しそうだし幸せになる。
料理の勉強もしておこう。
祖師谷君のことは、もう好きで好きで堪らないからそれも大丈夫かな。髪もロングだし。
「気になる話をしてる」
「うわっ。びっくりした」
「おは、由利。祖師谷君」
いつのまにか愛梨がにょこっと生えてきた。
「祖師谷君の具体的なタイプの話。私も聞きたい」
「僕の事を本気で好きでいてくれる人」
「じゃあ、私と祖師谷君は相性抜群」
「ちょ、愛梨?」
「私は、祖師谷君のことが本気で大好きだから」
そういった愛梨はじっと祖師谷君の眼を見つめる。
こういうところ、ずるいなぁって思う。私は拒絶されることを考えてしまってしっかり言えない。
「......ごめんね、前にも言ったけれど今は、彼女は作れないから」
「でも、将来的には」
「それは、どうかなぁー」
「ふふっ、祖師谷君はじらしプレイが好き」
「それはちょっと違う」
「ふふっ」
私も、何か言わないと。将来的に、そうなるために。
「あ、あの。祖師谷君」
「なに?」
「私も、その......」
「......分かってるから」
「......ふぇ?そ、それって」
「そういうことかもね。あー、眠いな」
「ま、まって。祖師谷君」
先に行ってしまった祖師谷君を追いかける。
絶対に結婚して見せるから!覚悟してね?
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