第14話 分かってない

「うふふ、蒼くん」

「木下先生、ここがっこうですよー」

「..........はっ!?あまりにも心地よすぎて、現実から逃避してた」


 胸触って、頭撫でていただけだからどっちかっていうと、僕の方が得をしたような気がしなくもない。


「じゃあ、教室に行くんだけれどね。その前に注意してほしいことがあるの」

「なんですか?」

「この学校の生徒っていうか、先生たちも、もちろんそうなんだけれど男性に対しての免疫があんまりないの。だから、さっきみたいなことは、あんまりしてほしくないかなぁって」

「.........それって、先生の独占欲とかではなく?」

「..........」


 ..........木下先生、そんな目を分かりやすくそらさないでください。


「わかりました!独占欲です!だけど、少しだけ本当の事だから。蒼君がそんなこと言っちゃったら、蒼君自信が、その..........危険な目に合うかもしれないから気を付けてってこと」

「あー、なるほど。分かりました。気を付けます」


 確かに、この学校大きいしそれなりの人数がいる。


 僕がもし、女性に対して険悪感がなくむしろ好感しかもってなくて、大きい胸とかお尻が好きな人が好きなんて発言したら、人づてに伝わっていき最終的に学校全員にいきわたり、狙われる可能性があるってことか。


「…本当に気を付けてね」

「分かってます」

「…心配だなぁ」


 疑いの目で僕のことをみてくる木下先生。


 大丈夫ですよ。普通に仲良くするだけですから。


「じゃあ、先に中に入って説明してくるから、待ってて」

「了解です」


 僕が、朝、みんなと同じように登校すると騒ぎになるため、時間を数十分後らしての登校だ。


 そのため、木下先生のクラスだけ授業をしていない。


 数分経って、部屋の中が騒めきはじめて、興奮したような声が中から聞こえてくる。


「じゃあ、蒼君。入って」

「はい」

 

 中に入ると、悲鳴やら、呆けている人やら、様々な反応で面白い。


「じゃあ、自己紹介してもらおうかな」

「はい。皆さん初めまして。っていうのは少し変だよね?転校してきたわけではないんだから。クラスメイトの祖師谷蒼です。これからは、学校に週三回、通おうと思っています。皆さん、よろしくお願いします」


 頭をあげると、一斉に拍手喝さいが起こる。


「あ、あと僕は、女性の事が嫌ったりはしないので、どんどん喋りかけてくれると嬉しいです!!」

「ちょ、蒼くん!」

「「「えええぇぇえ!!!」」」


 木下先生からは、ジト目を向けられる。


 大丈夫です。普通に仲良くするだけですから。

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