第13話

 昨日の配信は、最終的に同時視聴者数15万人まで膨れ上がりまたもやネットをざわつかせた。


 そして、今日ぼくは..........


「ほんとに、行くの?やっぱり行きたくないなぁ..........とか、思わない?」

「思わないかな」

「うぅ.........蒼ちゃん。考え直して!!」

「キスしてあげたでしょ?」

「そうだけれどぉ.........」


 車で、高校まで送ってもらっている最中だ。


 昨日、母さんに高校へ連絡し明日は出席するとつたえてもらった。


 すると、学校側が警備を増加させて、何時にもまして厳重にするようだ。


 どうやら、僕が通っている高校では、男の子は学校へと行っていないらしい。在籍はしているが。


「.........着いちゃった」

「そんな残念そうにしなくても」

「うぅ、だって!嫌なんだもん」

「帰ったら、いっぱい甘えさせてあげるからね?」

「絶対だからね!!蒼ちゃん、行ってらっしゃい」

「うん、行ってきます」


 母さんと別れを告げ、あらかじめ言われていた職員玄関の方から校舎に入る。

 

 どうやら、普通に入ると大混乱になるみたいだから入れないみたい。


「君が、祖師谷蒼君だよね?」

「あ、はい」


 すると、ほんわかしたスタイルが良い先生が来た。


「私がクラスを担当している木下ユルってっていいます」

「祖師谷蒼です。よろしくお願いします」


 そう言って、手を出すと笑顔のまま固まった。


「木下先生?」

「.........え?あ、うん。よろしくね。祖師谷君」


 そういって、僕の手を握り握手をするけれど一向に離してくれる気配がない。ずっとにぎにぎと握って感触を確かめている。


「木下先生?大丈夫ですか?」

「あ、ご、ごめんなさい。せ、セクハラよね。本当にごめんなさい。許してください。お金は払うから」

「え?お金なんていりませんけれど。僕の手を握ったままだったからどうかしたのかなって思って」

「え?あ、そうなの。.........だって、祖師谷君、私を見ても嫌な顔しないし。握手だってしてくれるから」

「どうして、木下先生を見て嫌な顔するんですか?きれいじゃないですか」

「私が綺麗!?そ、そうかしら?だ、だって、こんなに胸も大きくてお尻も大きいし」


 あー、そういうことか。


 前世なら、おっとり系美人でモテていただろうけれど、この世界ではスタイルが良くない人としてみなされるから。


「あの.........ね、先生」

「う、うん」

「僕は、大きい胸もお尻も大好きだから。木下先生は、美人だなって思うよ」

「え!?ほ、ほんと?」

「うん」

「じゃ、じゃあ触ってくれる?」

「いいですよ」


 おずおずと自分の胸を前に突き出してくるので、優しく触ってあげる。かあさんやほかの人とも違う感触が伝わってくる。


「んっ、どうかな?」

「柔らかくて最高です」

「よ、良かった」

「気持ちいですか?」

「男の人に触られるの、初めてで気持ちいい」

「良かったです」

 

 .........なんで、学校に来て胸を触っているんだという疑問はいったんおいておこう。


 すっごく柔らかかった。


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