第4話 たまご行方不明

長屋の女連中の井戸端会議では、


なぁ、カシワが卵産まんくなったねぇ。

そうそう。夏の暑さ負けなんだろか?

あっ!わかった!

何よー?

カシワもさ、女ってことだよ。お色気も無しで卵産めないってことだよぅ。

あー、そだよね、処女のまんま卵産め、産めってのも酷な話だよね。

雄鶏をどっかで手に入れてやるかい?

そうしようよ。

うん、うん、それがいい。


カシワは毎日、卵を産んでいた。

悪ガキ達がコッソリと隠してるのを親達は知りもしないのである。


子供らの秘密基地。

なぁ、紅子、カシワの卵、何個になったのよー。花子が聞いてくる。


まだ2個やねん。

なぁ、ロクちゃん、お母さんに聞いてくれたか?

プリン作るのに卵何個いるか?


ロクちゃんは、

うううー。えーーーと。えーーーと。

思い出そうと頑張ってた。


悪ガキ達は両手を合わせて、ロクちゃんを拝んだ。


あっ、プリン二つに卵一つってお母さん言ってたよーーう。


やったー!すごいなぁ、ロクちゃん覚えてたのかぁ。

ばんざーい、ばんざーい、ばんざーい‼️


ちょいと待ちなさいよ。

えーと、一、ニ、三、四郎と紅子、ロクちゃん、私と太郎、キムちゃんで9人だよ。

卵は何個いるんだっけ?


紅子は勉強がさっぱりできなかった、他のもんも同じ。


なぁ、割り算やろ。きっとな。

これは、博士に聞いたらええのんとちゃうか?


博士とはこんな長屋なのに、勉強ができる中学生のお兄ちゃんである。

長屋の大人は、末は博士か大臣だと話してるので博士と呼ばれてる。


よし!みんなで博士のところに行こうぜ‼️


えいえいおーーっ。

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