第3話 子供大作戦。


ロクちゃんのお母さんは、おやつ作りの天才と長屋の子供らの間で尊敬されてた。


ホットケーキ、おはぎ、ハッカ寒天、クッキー

そいで、みーんなの憧れ。

それは、プリン。


長屋では、煎餅とか飴玉くらいがおやつだったから、ロクちゃんのお母さんのおやつはハイカラさんだった。


子供らは秘密基地で作戦会議をしていた。

ええか!今日はものごっつい使命を発表します!

紅子は反り返って、手を後ろに回して歩く。


花子が言う。

なーにー?大袈裟ねぇ。

紅子はさ、なんでも、大作戦って言うけど、いつも大した事ないじゃん!


アホかー!

何言うとんねん。今日のはホンマの大作戦や。

最近、カシワが卵を産むやろーーぉ?

それをな、コッソリと拾うねん。

隠したくねん。貯めておいてなーーぁ。

紅子は夢を見てるみたいにぽやんとしてる。


一、ニが言う。

それで?

卵はみんなで順番に貰うんだぞ。

大人に知られたらどーすんだ?


ふふん。

あんたら、ロクちゃんちのプーリーン❣️

食べたないのぅーー?


ええっ、ロクちゃんちのプーリーンだってぇ。

うわーっ、ヨダレ出てきた。

うん、うん。私もあんなオヤツ食べた事無かったもん。

食べたいなぁ。


紅子は偉そうにうなづいた。

そやろ、そやろ。


えへん、そこでや、プリンには卵がいるやろ。

カシワの卵を頂くんや。

それをな、ロクちゃんのお母さんに持ってて

みんなのプリンを作ってもらうんや。

ロクちゃん、ええか?


ロクちゃんは、別に、お母さんがいつも作ってくれるし、どうでもいいんだけど、

みんなが、あんまりにも見つめてくるので


いいよ、、。と返事をするしかなかった。


よーし!ロクちゃんがお母さんに頼んでくれるし、あとは大人が卵を取る前にとるんやでー!


おー‼️‼️


ロクちゃんだけは、おー‼️って気にはなれなかった。

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