第2話 朝はこけっこっこー!

こけ、こけ、こけっこっこー‼️

長屋の子供らで夜店で買ったヒヨコから育ててたカシワが鳴く。


さぁ、起きやー、顔洗って朝ごはんやでー。


ふぁーー。ほな、行って来まっさー。

紅子は共同の洗い場へ、洗面器とタオル持ってノロノロと出掛けて行く。


紅ちゃーーん。待ってよー。

振り返るとロクちゃんが洗面器持って走って来た。


ロクちゃん!あわてなー。こけるでー。

おはようさん。


おはよう、紅ちゃん。

昨日ね、ゴジラの夢みたんだよ。

こうやって、がおーってさ。


そうなん!うちの夢には出んかったのになぁ。


子供らは顔を洗うどころか、水の掛け合いでびしょびしょ。

そのまま、家に戻って朝ごはん。


ロクちゃんのお母さんは、

あらあら、水も滴るいい男だわねぇと

タオルで拭いてくれてる。

ロクちゃん、甘い卵焼きよ。さあ、お父さんが待ってるわ。食べようね。


紅子はおかあちゃんに、あんたは幾つなんや?困ったもんやなぁ。

さあ、早よ食べや。卵かけごはんやでー。


うっへー、生卵嫌いや。

おとうちゃん、うち、いやー。


そうか、そんなら味噌汁ごはんにしといたらええやろ。

せっかくカシワが産んだのになぁ。


ええ⁉️カシワが産んだん?

ほな、食べなあかんなぁ。


そやで、せっかく、順番が回ってきてんよ。

カシワ、ありがとうって食べなあかんよ。

おかあちゃんも言う。


ひとつの卵を割って、お醤油かけて混ぜ混ぜ

少しづつ、お父ちゃん、私、おかあちゃんと分けて。

うーーん。美味しい!

やるなぁ、カシワーー。


こけっこっこーとカシワはまた鳴いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る