第39話


 あっぶね‥‥死んだかと思った。


 不幸中の幸いで森に来てしまった。


 キーンコーンカーンコーン。


「四時間目の授業は体育です。ハードルを飛んで下さい」


 ハードルなんて何年もやってねーよ。でも一応運動部だったし、これで成功すれば中三だ‥‥。そう思うと手に汗が滲んでいた。


 すぐに森の中にハードルが生えてきた。といってもツルのようなハードルだ。


 何が何でも成功させてみせる。


 俺は目を閉じて深呼吸をした。ミキを助けたい、自分の後悔をやり直したい、未来を変えたい。そんな思いで体を集中させた。


 そして、脳にはアドレナリンが放出され始めた。やってやる‥‥。


 十分な助走を付け力いっぱい走った。


 そして、無事ハードルを全て飛ぶ事が出来た。


「正解です。一年進んで下さい」


 ‥‥成功した。運動神経だけはよかった。

やれば出来るんだ‥‥!


 これでやっと‥‥‥。

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