第28話


 キーンコーンカーンコーン。


 森だ。


 きっかけは分からないが、来れてよかったとホッとしていた。あのまま何年も過ごす事を考えれば、ここに来て一年ずつ進む方が断然早い。


 しかし、体が怠くない。ここに来れば、もうさっきまでいた時代には戻ることはないからか。


「一時間目の授業を始めます」


 一時間目って事はやっぱり六時間まで終わってもまた繰り返すんだ。でもそうなると終わりがない‥‥。


「一時間目の授業は算数です」


 始まった。


「第一問、この図の体積を求めなさい」


 地面に図が現れる。


「うわっ‥‥めっちゃ簡単じゃん」


 俺が今小五だからか、問題も年相応だ。


「正解です。一年進んで下さい」


「よっしゃ」


 そうと分かれば楽勝だ。ここに来る事さえ出来ればあとは進むだけ。


 待ってろよ、ミキ。


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