第23話


 愛はそんなに前から俺の事が好きだったのか?初めて聞いたし入学したばっかで俺の事知らないはずなのになんで‥‥。



 キーンコーンカーンコーン。


「帰りの会を始めます」


「あぁ‥‥。今度は帰りの会?一体何をするんだよ」


「では、無事に下校して下さい」


「下校?帰りの会は?」


 俺が訳わからずあたふたしていると目の前にスタートラインが現れた。


「スタートラインがあるって事はゴールもあるって事か」


 進まないと始まらない、覚悟を決めていた俺は迷う事なくスタートラインを切った。


 ゴール出来れば一年先に、ゴール出来なければ一年やり直しってとこか。それならゴールしなければいいんだ。


 しかし、森の中は分かりやすく罠が仕掛けてあったり子供騙しとも思える障害物が置いてあったりと、このままではゴールまで簡単辿り着いてしまう。


 と言う事はまた高二を繰り返す‥‥そうだ、いっその事わざと失敗して5年前に戻れば、それで一年づつ進めばいいんだ、そしたら中三に行けるかも!


 そして、俺は明らかに落とし穴ですと言わんばかりの落とし穴にわざとはまってみせた。


「不正解です。そして、わざと落ちたので五年前からやり直して下さい」


「わかってるよ‥‥」

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