第10話


 キーンコーンカーンコーン。


「四時間目の授業は体育です」


 ‥‥ここで間違えれば中三に戻れる。

 そしたら‥‥。


「シュートを決めて下さい。投げれるのは一回限りです。外せば不正解、入れば正解で一年後に進みます」


 って事はこれを外せばいいんだな。


「ここで注意です。わざと外したり手加減をすると罰で一気に五年前からやり直しです」


「五年?!そんなの聞いてねーよ!」


「スタートです」


 するとゴールが付いた木が地面から生えてきたと同時にバスケットボールがどこからか転がってきた。


 足元にきたボールを拾って俺は少し考えた。時間制限はないと思う、距離も言ってなかったからどこから投げてもいいはず。


 わざと外すと五年前、普通に投げれば俺なら入ってしまう。そしたらまた高二だ。本気で投げて外さないとダメって事だな‥‥。


 俺は考えた結果、ゴールから遥か遠くに歩いた。どう考えても入らないだろうという距離から本気で投げる事にしたのだ。


「言われた通り本気で投げてやるよ」


 ゴールは微かに見えている程度だ。


 俺は思いっきり振りかぶった。


 しかし、俺は本当にバスケが上手かった。


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