第16話  ワンダーランド図書館

今、図書館が楽しい。学生の頃はレポートや卒論などの為、大学の図書館や国会図書館に行くことはあったけど、元々本は買って読みたいと思っていた。古い本が好きではなかったし、不特定多数が触ったと思うとあまり気持ちの良いものではなかった。そんな私が図書館が楽しくなるなんて思ってもみなかった。


最近は家に受験生がいることもあり、塾、学費とお金がものすごくかかる。でも推しのCDや雑誌も買いたいし、自分の読みたい本も買いたい。自分のためにも少しは楽しみを。そこで考えて地元の図書館に登録した。図書館に選びに行っても良いし、最近はネット検索して地元図書館で他の図書館の蔵書を受け取ると言うことも出来るらしい。ネット検索がまた楽しいのだ。


私の推しは実は読書家だ。インスタライブのたびに質問されて最近読んだ本などを教えてくれる。それは小説や実用書、詩集、漫画、日本文学、海外文学など様々で、それを検索して読んでいくのが楽しい。もちろん自分では手に取らなかっただろう本や一生知ることもなかったであろう本に出会えるのだ。今は、カズオ・イシグロをお勧めされていたので何冊か読んでみたら、これがまた面白い。この作家のファンになった。『クララとお日さま』が最近読んだ本の中では特におすすめ出来る。


もう一人の推し。これは子供の頃からの大好きな人。フランス王妃マリー・アントワネット。この人と息子のルイ17世についての本も読んだ。フランス革命に至るまでの話や革命の最中、国王王妃が処刑後のルイ17世とマリーテレーズ姫の話。ルイ17世は両親の死後、革命政府からの虐待のような仕打ちで10歳で命を落とした。その描写が残酷で可哀想で、何の関係もない私も同情して怒りさえ湧きながら読んだ。なんて酷い人たちなんだと。タイムマシンがあったなら、薬と着替えと掃除道具持って助けに行ってあげたいと思った。何なら現代に連れ帰って病院に入院させたいとも思った。現代医学だったら助かったかななどと考えた。ルイ17世が亡くなった後、何年もしてから自分がルイ17世だと名乗り出す人が100人も出てきたり、平民の態度の掌返しにイライラしたり、とても面白い本だった。200年後の現代でDNA鑑定をやったらやはり亡くなったのは本物のルイ17世だったと分かったそうだ。100人のペテン師は恥を知れと怒り心頭だった。


姉のマリーテレーズの本も借りようと検索したら長期間返却されていない本なので予約には図書館窓口に来てくださいとメッセージが出た。フランス革命の学術的な本は蔵書も一冊ずつしか置いていないようで、古本で買うにも値段が高くきちんと返さない人や予約受待と、届いてもいつまでも取りに来ないなどという人が多いようで残念。読みたいのに借りられない。ちゃんと借りたものは返して欲しいと心底思った。

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