第6話

 何度か交戦はあったが、研究所の外へは、意外と時間はかからなかった。

「ふう、効果時間はまだあるな」

 時間は昼の12時過ぎ。

「時間的タイミングは悪くない」

 貴史は駐車場に向かい、人気(ひとけ)のある車を探した。

 程無くして、車内でお弁当を食べてる男を発見した。

「あんたに恨みはないが、すまないな」

 呟き、貴史は男の前に、斧を持って現れた。

「すまないが、車を譲ってくれないか?」

 斧をちらつかせながら言った。

 車内いた男は、驚き怯え、かくかくと頷き、一目散に車から出て行った。

 貴史は車に乗り込んだ。

「ああ、完全に犯罪者だな。これで、警察に駆け込む訳にも行かなくなった。さて、どこへ逃げるか?」

 貴史は車のエンジンを始動させた。

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