第22話 スタンピード
「あ~~~ん。」
「ふ~~~ん。」
「気持ちいい~。」
そうだろう、そうだろう。
このぼーくの精霊汁を使った全身マッサージヘルスは極上だろう。裏マッサージとして普段はペタンと2人全裸で絡み合うネチョネチョコースや全身リップコースなんかもあるんだけど、今回の店は健全なマッサージのみだ。
「いいわね、5人のヘルス嬢。このようにディーの3番を全身に塗りたくるのよ。その後、両手で全身をくまなく揉みしだくのよ。そうすれば、美肌・ダイエット・デトックスなど、効果は計り知れないわ。」
「姫様、さすがのゴットハンドです。あくまでもエロではなく、女性の美のためのマッサージなのですね。」
「レイアーズ様、男性用の店は絶対に開かないでください。ヌルヌルの肌に絡みつく毛や筋肉を想像するだけで、ボクは気絶しそうです。」
当然だな、美の追求は女性のみの特権だ。ぼーくは美しい女性達がこのベルン領で埋め尽くされるためだけにこのマッサージヘルス店を開くのだ。
「あなた達5名には来週から領都の公衆温泉で働いてもらうわよ。すでに温泉の隣に高級感溢れるマッサージヘルス店を用意してあるわ。」
♦
「おーっほほほ、マッサージヘルス店『アフロディーテの誘惑』への予約が止まらないわ。3か月先まで予約でいっぱいよ。開店して3週間しか経っていないのに貴族や商家のご婦人方からの問い合わせも殺到よ。」
「姫様、王都で執事のセバスさんが美容液ディーの宣伝と販売を頑張っているみたいですね。」
セバスの奴、高級娼館に入り浸って毎日いろんな女ととっかえひっかえ遊びまわっているみたいだな。おかげでその娼婦達から貴族の殿方へと評判が広まったらしい。ちゃんと商会設立の準備をしてんのか?
カンカンカン。
カンカンカン。
「何かしら?静かな朝の庭園への水やりが台無しじゃない。」
「スタンピードだあ~。」
「北の樹海から魔物があふれたぞ~。」
「もうおしまいだ~。」
「これトンチンカンの3人、きちんとわたーしに報告なさい。」
「姫様、ユーリからの報告です。今朝方、北の森の魔物があふれてスタンピードが発生しました。魔物の群れの数は5万、このベルン領へ真っすぐに向かっています。」
おかしいな、スタンピードの兆候は冒険者ギルドからも報告に上がってなかったのに。ええい、せっかくヌルヌル美肌計画が軌道に乗って来たこの時期に・・・。
「ペタン、騎士団全員を至急北の門に向かわせ、防衛に当たらせなさい。1匹たりともこの美の都へは侵入させてはダメよ。」
「姫様はどうなさいますか?」
「わたーしは孤児院アルテミスの家のロリフォーと合流してから北の門に向かうわ。盾の会8名で侵入を防ぐのよ!」
「分かりました。姫様もご武運を!」
♦
「もうダメだ~、数が多すぎる。」
「矢がない、早く持ってこい。」
「門が突破されるぞ、押し返せ。」
「また騎士がやられたぞ。」
ワーワー。
ワーワー。
ワーワー。
もう長くはもたないな、騎士団と冒険者はボロボロだ。王都からの援軍が到着するまで持ちこたえるしか方法がないな。
「騎士団と冒険者は全員引きなさい。あとは盾の会8名に任せてちょうだい。ロリヲタのマルス、8人全員を城壁の上へ転移させなさい。」
「イエス、マイマム。」
シュン。
「まあなんて汚らしい魔物の群れなの。わたーしの街には足を踏み入れることは許さないわよ。」
「レイアーズ様、あの魔物の群れはおかしいです。ボクはあんな魔物は今まで見たことがありません。」
「ご主人様、あの魔物は自然に発生した魔物ではないデース。魔力の流れがおかしいデース。誰かが人工的に造った魔物デース。」
誰か魔物の群れを操って意図的にスタンピードを起こした奴がいるな。でもまずは魔物が侵入できないように障壁を張らないといけないな。
「わたーしの聖魔法を見せてあげるわよ。ヌルヌルマッサージで鍛えた聖魔法の見せ所よ。聖魔法、
「ああ、姫様なんと美しい聖魔法。」
「まさに紅の聖女様。」
「ご主人様、凄いデース。」
「感心してる場合じゃないわ。ペタン・ディー・ユーリの3人はわたーしへ魔力を断続的に供給し続けなさい。4人の魔力を合わせれば、3日はこの聖壁は持つわ。」
「「「はい。」」」
「レイアーズ殿、我々ロリフォーはどういたしましょうか?」
「ロリヲタマルスは転移で王都にスタンピードを知らせて、援軍を呼んで来て。」
「イエス、マム。」
シュン。
「2次元ロリのブヒルと幼女ロリのバブペドは広範囲魔法で少しでも魔物の数を減らすのよ、ただしスマートによ。魔物の血や肉が飛び散る魔法はダメよ。」
「「・・・・。」」
「2次元ロリ魔法、
「精霊魔法、幼女の
2次元ロリ魔法が何かは全く理解できないけど、氷の棺桶はなかなか美しいな。氷の表面が白くて中が透けて見えないのは合格点だ。
午睡の夢って単なる幼女の昼寝だろう。血や肉が飛び散らないからいいか。
「魔族のナボコフはこのスタンピードを操っている奴をその魔眼で探しなさい。」
「我の魔眼はロリの成長を見る以外は使いたくはないのだが・・・これも我の楽園のためとあらば致し方あるまい。魔眼、成長
「どうでもいいから早く見つけなさい!」
「見つけけたぞ、あいつだ!」
「ブヒヒヒ、まさか魔眼持ちがおったとはな。どうせ僕には魔法は効かぬ、この魔法封じの魔道具がある限りはな。おっと紹介が遅れましたね、帝国が誇る12軍将の1人魔物狂いのオークブッタと申します。」
「は?オークのブタ、汚らしい豚の名前がピッタリだわ。」
「なんて失礼な女だ、お前みたいな傲慢そうな女が僕は一番嫌いだ。こんな僕を可憐なアンナちゃんは頼りがいのある素敵な男性と褒めてくれるんだぞ。」
可憐なアンナ?まさかな、ぼーくの愛した美しくて可憐なアンナがあんな男に惚れるはずがない。アンナは帝国で元気にしているだろうか。ヌルヌル美肌計画が一段落したら、ベルン領にも一度招待したいな。
「ブヒヒヒ、いつまでその魔法と障壁の魔力が持つかな。僕の造った可愛いキメラちゃん達はまだまだたくさんいるぞ。」
シュン。
「マイマム、このロリヲタが援軍を連れて舞い戻りました。」
えらく速いな。
「・・・っ。」
たったの8人だけ!
しかも、8人の中には元悪役令嬢のエロ釣り目もいるじゃないか。
王太子は悪役令嬢 どこでもジャージ @totofumihide
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