第21話 アルテミスの家

「セ~バ~ス、今度はこの精霊汁を王都で売り出しに行ってきなさい。」

「ありがとうございます姫様、このセバス全身全霊を持って王都での売り出しに尽力致す所存でございます。この1番から5番というのはどういった意味でしょうか?」


「フフン、さすがセバスよく気づいたわね。1番は精霊汁の原液で最も効果が高いわ。原液の1倍から5倍の意味よ、1番は王家に献上しなさい。」


フフフ、完璧なぼーくの計算さ。ディーの1番から5番までの種類に分けてブランドの差別化とビンテージ感を出すのがぼーくのねらいだ。


「2番から4番は貴族向けで、5番が庶民向けという訳ですな。さすが姫様です。」

「最初のうちは5番はサンプルとして娼婦にでも配布しなさい。すぐに王都でも評判になるわよ。」


ブオッ。


「またこのセバスめに特別優待券を頂けるのでしょうか?」

「なに言ってんのよ、今回は自腹よ。前回の優待券で気に入った子でもできたの?」

「ひゃい、お恥ずかしながら『ダンデライオン』のピーちゃんが・・・。」


なんですと?ダンデライオンのピーちゃんと言えばデブ専貴族の一番人気じゃないか。セバスはデブ専なのか。



セバスは今回も元気に旅立ったわね。

さて、これからぼーくはこの精霊汁ディーを元手にして、女性専用マッサージヘルス店を開業し、美の伝道者として褒め称えられるのだ。


「ペタン・ユーリ、わたーしからの指令よ。このベルン領内を回り、あなた達の目に留まった美少女をマッサージヘルス嬢としてスカウトしてきなさい。身分や種族は問わないわよ、騎士団員と同じ給与でわたーしが召し抱えるわ。」


「「姫様(レイアーズ様)の仰せのままに。」」


ぼーくはその間にマッサージヘルス店の店舗の準備をするのだ。まずは全ての公衆温泉に隣接する形がいいな。このベルン領ヌルヌル美肌計画を実行に移すんだ。王国中の美女が集う都市、それがこれからのベルン領だ。


ウハハハ、夢が広がるな。


   ♦


「姫様、1か月をかけユーリと共に領内を回り、ヘルス嬢をスカウトして来ました。領内の誇る美少女5名です。」

「たった5名だけなの、随分と少ないわね。希望者が少なかったのかしら?」


「いいえ姫様、騎士団と同じ扱いなので希望者はどこの街や村でも殺到しました。」

「しかし、レイアーズ様、このベルン領には圧倒的に美少女が少ないのです。ボクやペタンララが目を付けた多くの美少女はすでに結婚していたのです。」


しまったー。

考えてみればそうだな、誰もが認める美少女ともなれば飢えた男共が放っはおかないか。しかしどうすればいい?美少女がいなければ、ぼーくの崇高な計画が・・・。


ピコーン!


「そうだ!美少女をわたーしがのよ。孤児や貧しい家の美少女の卵たちを孤児院に受け入れ、美少女エリートとしてヘルス嬢に育成するのよ。わたーしはやっぱり天才だわ。」


「姫様、私やユーリでは美少女の卵を見つけるのは無理ではないでしょうか?」

「ボクも10歳以下の美少女にはあまり興味がありません。」


「わたーしに考えがあるわ、王都に出紙を出すわよ。」


   ♦


来たな、美少女エリートを発掘できる精鋭達が。ぼーくの目に間違いはない。


「まずは自己紹介をしなさい。わたーしの自己紹介はいいわね。」

「姫様の護衛騎士でハーフエルフのペタンララです。姫様の愛人です。」

「S級冒険者で聖騎士のユーリです。百合の絵を描くのが生きがいです。」

「水の精霊のディーといいマース。ご主人様と契約していマース。」


「魔術師団長子息で人族のマルスです。生粋のロリヲタです。」

「魔術師で犬獣人のブヒルです。2次元ロリ専門です。」

「精霊術師でエルフのバブペドです。3歳から5歳までの幼児ロリが好きです。」

「魔族のナボコフです。ロリの将来の姿を見通す能力があります。」


さすがロリコンの集まりと言われる魔術師団の精鋭だけのことはあるな。目つきがすでに変態だ。この4人にベルン領の孤児院でのエリートの育成を任せよう。


「さて、新たにこの4名にに加わってもらい、美の都を目指すのよ。早速だけど新たに加わった新規の4名には、領内の将来美少女となるエリート達を孤児院に20名程集めてちょうだい。」


「レイアーズ様、お任せ下さい。この不肖マルス、ロリオタの名誉に賭けて3歳から10歳までのロリ達を集め、我々ロリの楽園を築いてみせます。」


「では任せたわよ。孤児院の名前はとするわ。ロリヲタマルスがアルテミスの家の院長よ、好きに運営するといいわ。」


「「「「では。」」」」


シュン。


「姫様、4人が消えましたね。」

「ああ、知らなかったわよね。ああ見えてロリヲタは転移魔術の天才なのよ。」

「レイアーズ様、ロリヲタに美少女エリート達を任せて大丈夫なのでしょうか?何か不純な事をするのではないでしょうか?」


「それは大丈夫よ。あの4人は生粋のロリ、ロリを見つけて愛でることに生涯をかけているのよ。YESロリータ、NOタッチが彼ら4人の鉄の掟なの。」


「「「へ~。」」」


「それじゃあ、今回連れて来た5人を立派なヘルス嬢にするために、これからヌルヌル講習会を始めるわよ。」

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