第51話 寝取られ実演

2022年6月4日


「おはよ。結局最初は映画になったの?」

「おはよ。うん、映画。今から電車乗る。」

「いってらっしゃい。」

「うん。映画終わるの12時半ぐらいだと思うー。」

「そか。それ迄はLINE出来ないね?」

「うん。」


 力さんと駅で会って映画館に向かった。この人、とても楽しそうにしている。

「トイレ来た。手繋いできて、楽しそうにしてはるよ。」

「あー。。。友達なら繋がんもんね。」


「映画終わったよ。今からランチ行く。」

「どうやった?」

「うん。映画観てる間ずっと触られてた。」

「どこを?」

「腕。唇。」

「やらし。セックスする気満々やん。」 

「首筋から胸。」

「胸も触らせたん?」

「鎖骨まで。」

「下心むき出しになってきたね。」

「胸は触られてない。でもキスしたそうだった。」

「写真が撮りたいとか言っといて、友人の仮面が簡単に取れちゃったね。」

 そういう言い方は止めて欲しい。こっちがその気にさせたんだから。

「私が右向けばキスされてるわ。前向いて映画観てたから。」

「映画館でそんなんした事ないわ。集中して観るつもりないやん。」

「私はちゃんと観てた。」

「ランチの後は?」

「うん、誘われたから。行くね。」

「ホテル?」

「ランチは2時半ぐらいに食べ終わる。うん、2人になりたいって。」

「やっぱり。。。セックスする気やったんや。したいならしたいって言えばいいのに。」

「イチャイチャしたいってさ。じゃまた後で。」

「音声、ゴム、出来たら写真か動画お願いね。

ホテル入る前に連絡して。」

「はい。」

「2時半て偉い長いことランチかかるね。」


 結局レストランに着いたのは昼の1時半をまわっていた。

「今着いたから、3時ぐらいなるかも。」

「今から食べるんや?」

「場所遠かったからね。」


 調子に乗って飲んでしまい、3時もまわってしまった。彼を更に待たせる事になりそうだ。

「もう3時半やんw飲みすぎた。」

「今からホテル?」

「なんか、私酔っぱらってないのに、相手が酔っぱらっちゃってる。。まだ店やけど、水頼まれてる。」

「昼間っから飲んでるんか。」

「私より飲んでないんやけど。。酔っぱらったみたいwやば。いけるかなあ。」

「勃たへんのちゃう?w」

 自分が勃たないくせにそれを言うんだ。ださ。でも力さんが勃たなかったらどうしようって不安はある。でも割りと楽しくお酒は飲めた。力さんは楽しそうにしてくれるし、食事は美味しいし、久しぶりに純粋なデートを味わっているような感覚だった。この後ホテルに行くのに、純粋という事はないのだけど。

「ホテル着いた。後はお任せする。。」

「一発終わるごとに報告ね。」

 それは無理だ。

「帰りに報告する。」

「そか。」


 全てが終わり、帰りに報告しようと思った時、彼からのLINEを見て、やっぱり不安になったんだと思った。

「返事まだかな?心も盗られちゃったかな。」

「終わったよ。」

 割りと疲れた。色々と気苦労が絶えなかった。鞄の中に携帯をセットして動画の設定で音声を撮った。最後に見ると切れていたので、どこまで撮れているかわからない。全く撮れていなかったらどうしよう。苦労して3回もセックスしたというのに。

「今から家族で晩ごはんだから、終わったら連絡するね。音声確認夜やるけど、途中で切れてたからどこまで撮れてるかわからんけど。疲れたから、よしよしして欲しい。。」

「何回したの?身体綺麗にしてあげたい。」

「3回。」

「落ち着いたら詳しく教えてね。付き合うことなった?」

「ううん、なってない。」

「3回の事、詳しく教えて。。。ゴムは?」

「今ご飯食べてるから。。。ゴム着けたよ。持って帰ってきた。2つ。」

「見せてよ。ホテルのゴムは2つやろ。1回は生でしたのね。。」

「いや。。持参してた。。」

「へぇ。見せてよ。詳しく教えてよ。」

「ごめん、帰ったらでいい?今じぃじ駅に送ってる途中。」

「そうなんや。ごめん。」


 彼は待たされている間、きっともやもやしていると思う。本当に動画を送って大丈夫だろうか。いよいよ好きな人に他の人との音声を聴かれるこの複雑な気持ち。もし彼に嫌われたらどうしよう。でももう後には引けないところまできてしまった。やっぱり送らないと言い出せば、彼はそれこそ許さないと思う。内緒にコソコソされるのが彼は許せないからだ。前の彼女ともそれで別れたのだから。彼はオモチャを貸してあげた感覚なのだから、きちんと返さないといけない。

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