第50話 不安な気持ち

2022年6月3日


「明後日ランチ後はどうするん?」

「お任せやけど、朝10時に待ち合わせ。お昼すぐじゃないよなあ。」

「朝やん。。先にホテル行くつもり?」

「それはあからさま過ぎてないと思う。ランチ行くとこ決まってるみたいやし、映画行くのかなあ。」

「朝からなにするんか聞いてよ。」

「ねえ。不安にならない?」

「なってるから聞いてるねん。」

「セックスする事の不安やなくて、私がどっかにいっちゃう不安の方よ?」

「そだよ。相手が付き合う気になってるから不安なのよ。」

「あー。そか。大丈夫、断るから。それより、前写真撮った日みたいに、セックスさせて後悔して落ちてさよならってならん?」

「付き合われたら落ちるかも。。」

「ないよ。」

「わからんやん。。それが不安。」

「わかる。信じて。」

「うん。」

「なるべくこまめにラインして。今からランチとか、いまから映画とか。」

「んー。わかった。」

 面倒だけど、前は返事が遅くて不安にさせて一方的に勘違いされた。あれではこっちも疲れてしまう。全く、デート中に頻繁にLINEするとか、相手に不満を与えるだけだし、失礼だと思う。

「朝から何するんやろ。。。不安。」

「不安不安て。。その不安はなに?ランチゆーてんのに。」

「朝からホテルやったりして。その可能性充分あるよね。2時間ホテルでセックスして、それからランチ。」

「あなたとはそうやったなあ。。」

 何度も初めて会う日だから止めとこう議論は展開された。でも結局やってしまった。彼はヤリモクではないと言ったけど、他の人から見ればヤリモクでしかない。愛があると彼は言うけど、彼は奥さんと離婚する気もないんだから。

「でも僕とは付き合ってたやん。」

「2人とも我慢出来なくて。」

「緊張したけど、初セックス気持ち良かったよね。」

「うん。気持良かった。」

 確かに気持ち良かったけど、4回とも正常位で体が痛くなったっけ。

「初めてのセックス見ながらシコる。」

「おかず消えてなくて良かったね。。」

「うん。復縁するなら、消さんとけば良かったなー。。あー不安や。」

「私どこにもいかんよ。。」

「不安になる事させたんは自分やのにね。。矛盾してる。」

「でも、どこにもいかないよ。別れた時も寄り添ってたつもり。しんどそうやったし。」

 裏は、色々あるけどね。復縁の相談を業者に頼んだり。お金がかかった。それでも気持ちはスッキリしているし、復縁は成功した。こっちの勝ちだ。

「ありがと。」

「うん。大丈夫。」

「朝の10時から何するんか聞いてな。」

「聞いたよ。何か返事よくわからんかった。」

「どんなやったん?」

「朝から映画がいいと思ってたけど、一緒にいられるなら朝からでも昼からでもって。私に決めろってこと?」

「ホテル行く気やん。」

「映画何時から?って送ったら、返事きて、9時55分って。じゃあもう少し早く行って見る?って聞いたら、そうしよーってさ。」

「映画観てランチだけってこと?」

「その後かなあ。。何もなかったらがっかりする?」

「がっかりはせんけど。興奮はしないだけ。」

「はは。何それ。」

「わからんけど。。」

「期待しといて。」

 ここで止める訳にはいかないからね。ここまで準備してセックスしなかったら何の意味もない。映画観てランチなんて無駄な時間を過ごしたくない。好きでもない人と。

「そらそうやん。」

「悶々させる。」

「一日中悶々するわ。逐一報告ね。」

「一日中悶々してたら疲れそう。」

「やろなあ。。」

「LINE出来る時にするね。」

「うん。」

「明日はお店休み?」

「やる予定。お金稼がんとヤバいからw」

「そっか。いつも食い逃げしてごめんね。」

「食い逃げて。お代金は身体で払ってもらってるからw」

「ありがと。。借金の肩に明日抱かれてきます。。」

「ぷっ。」

「おやすみなさい。」

「おやすみー。」


 さておさらい。明日はカメラマンとデートではなく、力さんとデート。彼を騙して力さんとセックスするんだ。力さんと1度で済むか、今後も2人で会うのかはまだわからない。ほんの少し、どこかで彼との関係が疲れていて、彼以外の人とどうにかなりたいという気持ちがない訳ではない。でも力さんの事をまだ好きにはなっていないし、力さんもどう思うっているのか、ヤリたいだけなのかもしれないし。でもそれはお互いそうだから私は文句を言えない立場にある。私は彼の事も力さんの事も騙す事になる。でも楽しければ、それでいい。

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