第49話 手遅れ
2022年6月2日
私は彼と話す時、エッチな会話をしないといけないと思わされていた。もちろん普通の会話もしたかったのだが、そうすれば嫌われると思い込んでいた。彼の鬱に合わせ、苦しくても寂しくても我慢し、気持ちを押し殺して彼に合わせてきた。何故かこの日はアイスクリームの会話になったのに、昔下着に精液をかけられた話を自ら始めてしまった。もう普通ではいられない、手遅れなのだ。
「昔夜に、ベランダに干してた下着全部外されて、精液かけられてて、旦那怒って全部捨てて!って言ってたけど、何故か興奮した。」
「何階に住んでて?」
「1階。でも、塀は高いのよ。」
「よじ登ってオナニーしに来たのさ。1人やったらレイプされてたね。。」
「旦那の下着も干してたのにw 下着捨てんと使ってた。やっぱ頭おかしいんかな?」
「おかしいわw 興奮した?」
彼だってクズの変態だけど、自分だって相当おかしいと思う。
「興奮したよ。」
「もし一人暮らしでレイプされてても感じてたんちゃう?」
それは違う。でも彼は私が淫らで性に溺れたバカな女だと思いたいのだ。
「それはないけど。。。興奮したのはその下着を着けてた事に、ではなくて、私の下着でベランダでオナニーしてたの想像したらって事。。。レイプはー、あんまし想像したことない。でも信じてくれないもんね?乱交してると思ってるもんね、私のこと。」
「自分のオ○コの匂い想像して興奮してたんや。。って思うと興奮してまうよね?」
「そうなんかなあ。。」
「精液かけられたパンツ想像してオナニーした?」
「かなり前やからそれは忘れたね。10年は前やわ。」
「なんかエロい話にもどったな。。w」
「動画送って欲しい。あなたの誕生日の時のと、お店でした時のね。」
「ん?セックス動画?」
「うん、そう。それ以外ないし。」
彼はすぐに動画を送ってきた。
「これがいちばんヤラシイよね。」
「お店でしたのもちょだい。」
「それはなかった。。」
「全部はないの?おかずにならんかったら捨てられるのね。。結構好きやってんけどなあ。」
「そやなくてクラウドに、残ってなかった。」
「そなんか。」
「明日はまったりセックスしよね。今、色々話しながら2回しちゃった。」
「もう?いったの?」
「うん。セックスのときイカセられんでごめんね。」
「それは。気にしたことないよ。」
「ふにちゃんやし。。」
確かにね。
「何急に?大丈夫だよ。舐めたら大きくなるやん。セフレさんだって満足したから誘ってくれるんやって。でないとセフレにならんもん。大丈夫。それに、セクシーだし。体見てたら悶々してくるよ。顔が好きやけど。ふくらはぎも何か好き。悶々する。」
「ふくらはぎ?」
「そう。」
「w」
京都は思いの外暑かった。
朝から東寺でお仏像を拝観。これは凄い。何とも言えずただただお仏像に圧倒された。この空気感と存在感はただ者ではなかった。私は普段どれ程バカらしい事をしているんだろう。それでも今は止められない。バカな私。
「忙しい?」
「落ち着いたとこ。」
「そう。お疲れ様。私も今東寺行ってきた。暑いわ京都。」
「暑いなぁ。。もうお店おいで。」
もう会えるんだ、もうすぐセックスできるんだと思うと少し興奮した。
「痴漢したい。あなたにね。」
「どういうシチュエーション?」
「んーわからん。でも電車で痴漢してみたい。痴漢された事しかない。」
「されたら興奮する?」
「したいって言ってるのに。」
「された時、濡れた?」
「元々濡れてたw」
「なんで?」
「そういう時あるやん。」
「男やからわからん。今も濡れてる?」
「スカートの中いきなり手入れられて下着の隙間から指入れられた。」
「濡れてたんバレた?」
「多分ね。手に付いたと思う。」
「いつの話?」
「25ぐらいかな。痴漢がうるさくなる前。」
「昔から性欲強かってんな。」
「被害者やん。」
「でも少し興奮したやろ?」
「昔からターゲットにはよく選ばれる。」
「気持ち良い時ある?」
「うーん。。」
「最近はない?」
「最近はないかなあ。」
「混む電車に乗らんやろ?」
「そやね。朝早い。夜遅い。」
「痴漢したいってあまり思わんなぁ。。知らん女の触ってもなぁ。。」
「たまに帰り混んでてぎゅうぎゅうやけど、皆痴漢と思われたくないから気遣ってくれてるよ。私はー、知らん人の触って大きくなったら楽しいかも。で、次の駅で降りて悶々されてると楽しいかも。」
「変態やん。変態というより淫乱かな。」
「淫乱とちゃうわ。」
「淫乱って好きよ。僕は性癖がおかしい。カメラマンと明後日生理やのにセックスとかヤラシイ。生理でもしてくれるかなあ?」
「生理でしない人今まで一人もおらんかったけど。。」
あ、これは嘘かな。生理だとしたがらない人は少なからずいる。元旦那さんもそうだった。
しばらくして彼のお店に着いた私は、アイスティとベーグルを注文した。お店には珍しくお客さんがいて、彼と話をしていた。少し年配の男性客だ。彼からすぐにLINEが届いた。
「今おる人、2階のテナントさんやねん。だから今からセックスするのバレんように大人しくしといてw」
「はーい。」
2階のお店の人か。この人なら彼の奥さんの事も知っているはずだし、この人と仲良くなられてはまずいと思ってるんだろう。会話に入れば、彼との関係をあやしまれてしまう。私にとってはどうでもいい事だったが、彼を困らせる行動をとる訳にはいかない。
しばらくすると2階の人は戻っていった。それから彼はお店に鍵を閉めてカーテンも閉めた。ブランケットのような物をどこかから取り出してソファーに敷いてから、私を脱がせた。いつもと同じように動画のセットをしてセックスが始まった。彼は私にフェラをさせてすぐに挿入した。何だか入っているのかわからないぐらいに彼のそれはふにゃふにゃだった。
「2階の人に聞こえたらマズいから、静かにね。」
静かにしろと言われると少し興奮した。喘ぎ声が少し漏れたが、出来るだけ我慢した。たぶん我慢する程体は気持ち良くないが、それでも彼は私の心を興奮させた。ブランケットが生理で真っ赤に染まり、彼は何度か動いた後、静かに達した。私たちはそれからしばらくお店でゆっくり話した。
「今日は有難う。」
「気をつけて帰ってね。」
「ご馳走様でした。ベーグル美味しかった~ありがと。」
「お粗末様でした。」
「行く度に食べさせてくれてありがとね。」
「いいよ。」
「セックスも気持ち良かった。。」
「気持ち良かったね。。ふにゃちんでごめんよ。」
「気にしてないよ。本当に。」
「動画編集できたらここに貼るね。」
「うん。」
「今日は汗いっぱいかいた。。また脇の臭い嗅ぎたい。。」
「臭いやろ。。恥ずかしいわ。」
「興奮する。」
「ええ。。臭いのに。」
「いや、セックスしながら興奮する。」
「そんなに臭かった?」
「うん、臭う方がいいから。。。」
「そなんや。。」
「うん。」
彼と、セックスできて幸せな気分だった。その2日後に他の人とセックスを控えているというのに。
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