第31話 お調子者
2022年5月6日
復縁の次の日、彼からのLINE。
「おはよー!」
「おはよ。。人間ておかしいね。別れたらおはよって言わなくなる。付き合ったらまたおはよって言い出す。」
「別れたら気まずさもあるからね。」
本当に不思議に思う。言葉一つ、付き合う付き合わないで、気持ちや、行動一つまで変化していく。こんなにまで言葉に支配されていいのだろうか。心ってなんだろう?私の気持ちは?次はどうしたい?昨日私は彼と寄りを戻した。2月に別れる前の関係に言葉一つで戻った。でも以前とは何かが違う。既婚だとわかったから?今ハッキリとはわからないが、私の気持ちは確実に変化していた。
先生は復縁をとても喜んでくれた。
「復縁成功しました~。」
「成功しましたね!!」
「お世話になり有難うございました。既婚者とわかって複雑ですが。。」
「複雑なのはわかります。この復縁活動の中で色んな事が発覚しましたしね。」
「はい。でも、フラれてからとてもしんどかったので、その間先生がいてくださって本当に良かったです。ひとりでは乗り越えれなかった事が多くて、彼とのLINEの沈黙も耐えれてたかどうか。。本当に有り難うございました。」
そうだ。本当に色んな事があった。彼の裏切りから始まり、逃避、セフレ、既婚、ダミー、1つのドラマが出来上がりそうだ。
「でも、彼の中でRさんを想う気持ちがちゃんと出来ての復縁なので、闇雲な復縁ではないですよ。」
「そうですかね。」
「ここからは彼を理解した上での対応にはなります。彼がまたブレることも出てくるでしょう。その時は支えてあげる形でいきましょう。」
「はい。。」
そうか、またブレるのか。そうだろうな。今までも何度もブレているんだから。私は彼の事を全て知っている。既婚者だと知っているくせに付き合いを続けて、更にブレたとしても支えていくのか?私はそこまで彼を愛してるんだろうか。興信所やら復縁支援を利用して探偵気分を味わって、ここまでして全てを終わらせる勇気がなくてやけくそになってるだけなんじゃないだろうか。
先生との契約は3ヶ月間。相談できる期間はもう少し残っている。私はまた何かあれば先生に聞く事にした。
「気まずい?」
帰宅後、私は朝会話が途中になっていたので彼に続きLINEを送った。相変わらず返事はすぐに返ってきた。
「いや。ずっと話したかったから気持は楽。」
「何を話したかったの?何でも言ってね。気持ち楽になって良かったわ。しんどいこと抱えたらあかんよ。」
「まず謝りたかったのが一番かな。いくらしんどくても他の女とセックスするべきやなかった。そこから悪循環なってった。」
「謝りたかった?でも、怒りはなかったよ。ショックだけかな。嫉妬とは違ったけど、ああ、こんな感覚でオナニーしたんかな?と思ってその時してみた。」
「そうなんや。どうやった?」
「寝盗られ性癖はなかったかな。」
「ヤキモチで興奮できたってこと?」
「ヤキモチ妬いてないし、興奮もしてない。」
「そうなんや。」
残念ながら、私には寝盗られ性癖はなかったようだ。嫉妬が興奮に変わる気持ちは全く理解できなかった。
「Rさんは他の誰かとどこまでした?聞かせてよ。」
彼は。。イライラするぐらいしつこい。最近では何度もこの話題になっている気がする。何度も聞いている事に気づいていないのか、私が何かを隠していると思って何度も同じ事を聞いてくるのか、単に聞いて興奮に繋げているのか。
「しつこいな。同じ事何度も聞いてるよ。誰とも何もやってない。あれからセフレと仲良くやってるんやなと思って、本人の人生やからと自分を納得させてた。」
「そうなんや。ホントに?」
「ないわ。」
「そっか。別れてからも二人で撮った動画で何度もオナニーしてたよ。ごめん。」
「そうなんや。もう消してないと思ってた。」
私は別れてすぐに消してしまっていた。
「全部残ってるよ。。。別れてからも数十回はしてた。」
「私はもう全部ないから。」
「また撮ろう。今迄のもまた送る。ねえ、久しぶりに見せて欲しい。。あかん?」
「私ばっかりやん。そっちが見せてよ。」
「お客が今いる。」
「そう。」
直感だが彼は今店にいない。家だ。しばらくして、私はまたおねだりしてみた。
「お客帰った?」
「うん。」
「じゃあオナニーして。」
「もう出した。」
「え?」
「さっきの動画貼った時にその動画で止められへんかった。久しぶりにみたから。」
嘘だ。彼は今家にいる。もう嫌になる程彼の嘘がわかるようになってしまった。
「早くしたいね。」
「うん。」
「Rさんもやらしいね。ホントは友達としたんやないの?」
「してない・・・しつこいな。」
「うん。。ヤキモチ妬きだすとしつこいんは知ってるやろ?」
「したって言ったら?」
「たぶん納得する。」
「納得?」
「寂しい時に下心ある男に酔わされたら普通落ちちゃう。」
「相手の方が酔ってたわ。酔わせれたらやっていいで。って冗談言ってた。」
「そんなんゆーて。やらせる気持ちあったんやろ?」
「あったよ。」
私は何かこの会話にイライラし始めていた。
「夜会って、ご飯食べて飲んで、10時とかなってたら、やったら終わりやん。」
「おわり?」
「そんな短時間でやって、もう帰らんとあかん時間になる。」
「あー。するならゆっくりしたかったんか。」
「違う。そこまで急いでやる必要ない。価値ないから。ゆっくりしたいとかじゃない。」
「?」
「伝わらんね。男は違うのかも。短い時間でもやれたらいいって思うのかな?」
「どうしたかったん?」
「だから。。やらしてくれるなら誰でもいいやん、男ってそういうとこあるやん。何か違うねん。別にそこまでしてやりたくない。」
「うん。。」
「確かにやってもいいか、と思ったけど。その短い時間でやる価値ないねん。だったら帰る。さっさとやって帰るなんて虚しいだけ。相手は
短い時間でもやってスッキリ帰りたかったと思うよ。そんな感じだったから。」
「なるほどね。。僕も確かにパニックなったら誰でもいいから人肌恋しくなった。それで裏切っちゃったよ。」
「あ。そう。まあその日は帰る事にして、次会った時していいよって言った。その時は嫌じゃなかったから。次ならしてもいいと思えたから。」
会話が落ち着いた頃、彼は私たちのセックス動画をまとめて送ってきたが、キスだけしている動画はなかったし、お店でセックスした時の動画もなかった。全部は残していないようだ。彼は寄りを戻した途端、私に性器を見せて欲しいと要求した。また自分のペースに巻き込もうとしている。でも、これからは巻き込まれているように見せかけて、自分も楽しもうと思う。私は以前の私ではないのだから。それにしても彼は調子に乗り過ぎだ。
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