(四)-3
私が言葉をなんて返そうかと考えていると、私はテーブルの上に置いていた手を急に加島に掴まれた。彼が私の右手を両手で握ってきたのだ。その瞬間、少しドキドキした。
急に手を握ってくるなんて……。若い頃ならともかく、こんな歳で動揺するなんてみっともない。そう頭では思うものの、心臓の鼓動はさっきよりも早く動いている。
「お前が欲しい。もう翔太のことはどうでもいい。俺はお前が欲しいんだ」
なぜ、この子がそんなことを言い出すのか事情がまったくよくわからないが、とりあえず、「何を言っているのよ、あなたは」と返した。
(続く)
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