(三)-4
「あなた、藤阪翔太と付き合っていたって言ったわよね」
「ええ」
「あなたが男なら、その翔太って子は女の子なの?」
まさかとは思ったものの、念のため確認してみた。
「いえ、あいつも男です」
まさかとは思ったけど……。そのまさかだった。
「あんたたち、男同士で付き合っていたっていうわけ?」
「はい、そうです」
加島がはっきりと答えた。まっすぐこっちを見ていた。何にもやましいところはないぞという表情だった。
「あなた、相手から別れようって言われなかったの?」
(続く)
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