コード・ホルダー 現世の陰影

柳澤永松

プロローグ

────終わった悲しみを握りしめ続けるのは、間違っているのことなのだろうか。


 世に突如として現れた超常的な異能を持つ存在は、その存在が世に知れ渡る過程で加速度的にその数を増やしていった。


 混乱の最中、世界各国が研究を進める過程にて、その異能の源が特定の遺伝子コードに依拠していることを突き止めた。


 異能の発現する遺伝子コードを持つ者達は、何処から、誰からともなく自然と『コード・ホルダー』と呼ばれるようになった。


 世界に順応する者、反発する者、世のために使う者、世を乱すために使う者。コードホルダー達は様々な思惑を持ったまま世界に存在していく。


 だが、望む望まざるに関わらず、世界の運命を揺るがす大いなる選択と、大きな陰謀の渦中にいることを、殆どの人間は知る由もない──────






コード・ホルダー 現世の幻影






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