第6話 それぞれのカク(息子Y編)

 読む方に夢中だったYだが、中学生になった頃に「新耳袋」の文庫本版を読んで、すっかりハマって自分でも書いてみたいと思ったらしい。


 元々、中学の新聞部で出していた学内誌の一コーナーで妖怪の紹介などをしていたのだけど、そのうち友人たちと趣味で小冊子を作るようになる。


 手刷りしてホッチキスでとめてという簡単なものだったけど、本人の許可を得て読んでみると、これがなかなか面白かった。


 高校でも文芸部に入り、ここでも同人誌活動に勤しむことになる。


 大学でも文芸サークルと民俗学研究会に所属して、こちらでも同人誌活動をしたり、友人たちとフィールドワークにでかけたりしていた。


 彼が書くものは、ごく短い掌編が多い。

 持ち味としては、妖怪ものに加えて、地方の民話的な怪談もの、何処か不思議で奇妙な話が彼らしい言葉の選び方で書かれている。ホラーというよりも怪談。


 書くジャンルは違うけれど、言葉の音やリズムや、漢字、ひらがな、カタカナの選び方などのこだわりは似ていたりして面白い。


 そしてカクヨムでのこと。

 Yもわたしもお互いの書いているものに関しては、ほとんど読み合いはしない。


 でもたまーに読んで、面白いと思ったり好みの作品だったりしたら、感想を伝えたりする。


 これは基本的に書いているジャンルが違うというのもあるけれど、 紹介してくれた時に、カクヨム内では、お互いに知らない同士として、目立った交流はしないようにしようと決めたからだ。


 照れくさい、というのはやはりあるし、親子ではなく一人の書き手として向き合いたいという気持ちがあるから……なんて言ったらカッコつけすぎかしらん💦

 まぁ、わたしたちには、ちょうど良い距離感かな。


 そして、Yの場合は本当に友人たちに恵まれていると思う。


 社会人になってからも、高校、そして大学時代の友人との交流は続いている。

 社会人になってからは、なかなか時間がとれないのと、コロナ禍のこんなご時世だけど、文学を通しての友情が今も繋がっているのをみていると、良かったねぇと母は思うのだ。


 ◇◇◇


 次回は

 第7話 ヨムカク親子の日常①


 わたしたち親子の日々の会話(主にヨムカクについてのこと)を書けたらなぁと思いますm(_ _)m

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