第4話 それぞれのヨム(息子Y編)
息子Yが生まれてから、わたしは「ぶっくくらぶ」という絵本の配本サービスを利用していた。
「ぶっくくらぶ」には年齢ごとのコースがあり、違う絵本が月に二冊ほど自宅に送られてくる。
これが昔ながらの名作あり、絶版本の復刻ありで、内容もバラエティに富んでいて、大人も子どもと共に楽しめた。
「いないいないばあ」「しろくまちゃんのほっとけーき」「ねないこだれだ」
絵や言葉のリズムの楽しさは字が読めない年齢でも伝わる。
手足に触れながら読みきかせていたのを思い出す。
「ねずみくんのチョッキ」「ジャイアント・ジャム・サンド」
この「ジャイアント・ジャム・サンド」は特に長い長いお気に入りだった。
弟たちが生まれてからもリクエストで何度となく読んだものだ。
「おしゃべりなたまごやき」「からすのパンやさん」「ぐりとぐら」
こうしてみると食べ物関係の絵本が多いかも(笑)
代わるがわる膝の上に乗せながら一緒に読んでいた、あのひとときの
おやおや、わたしの思い出話になってしまった。
◇◇◇
(息子Yのヨム話にまだ入らないの?と思われた方、暫しお待ちを。ここから繋がっていくので)
実はわたしは活字もだけれど漫画もアニメも大好き。
立派なテレビっ子でもあった。
臆病で小心者のくせに怪談、不思議話に惹かれる(もちろん、自分に影響ないことが前提。肝試しなどは一切行かないし行きたいとも思わないタイプ)
アニメでは「ゲゲゲの鬼太郎」(漫画もあったけど、アニメから入った)「妖怪人間ベム」夢中になってみていた。
そして、この鬼太郎は長期シリーズ化している作品である。
ファンは、それぞれ第〇シリーズがお気にいりというのがあって、ちなみにわたしは第二シリーズ(野沢雅子さんが鬼太郎の声をされていた)
◇◇◇
そんなわたしの影響をもろに受けたのがYだった。
彼が好きなの鬼太郎アニメは第四シリーズ。わたしからすると随分マイルドになった印象だけど、やっぱりリアルタイムで自分が観ていたものに思い入れは強くなるんだろうなぁ。
面白いのはYの場合、鬼太郎アニメから鬼太郎漫画、そして妖怪に夢中になり、怪談や民俗学的な方向へと興味が広がっていったこと。
Yが中学生で「新耳袋」にハマって、第11回 世界妖怪会議(故・水木しげる大先生(初代名誉会長)、荒俣宏先生、京極夏彦先生というそうそうたる顔ぶれだった)に
ちなみに弟たちは、この方面には興味がなく、わたしの実家で祖父母と留守番していた。
◇
高校、大学にかけては柳田國男「遠野物語」、折口信夫「死者の書」などを読みふけっていた。
先ほど本人に他に好きな作家は?と聞いてみたら、芥川龍之介、椎名誠、夢野久作、稲垣足穂、中島敦、内田百閒、萩原朔太郎、岡本綺堂、尾形亀之助とのこと。
尾形亀之助、わたしは未読の作家さんだ。
今度、探して読んでみよう!と思う母であった。
◇◇◇
次回は
第5話 それぞれのカク(母T編)
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