一章 元おっさん、異世界へ
第2話 異世界へ
真っ暗だ。
何も見えない。
確か、俺は…死んだんじゃなかったのか?
その時意識は覚醒する。
俺は日本人日本育ちの40代中年男性。
みんなからは下の名前じゃなく、未会堂と呼ばれている。
そんな俺は、小さい女の子を助ける為、炎に包まれていた家に入り、そして退路を断たれた状態で、俺は諦めた。
と言うより、ここはどこなのだろうか。
どうにも、この状況がよく分からない。本当は夢を見ていて、実は俺は病院のベットで寝ている……とか?
いやいや、そんな筈ない。あれはもう、死ぬだろう。なら、多分違う。
なら、ここは一体———、
「———どこだぁーーー!!」
あっ、声が出た。
とにかく、声が出たのはよかった。
♢♢♢
ひとまず、状況を整理したい。
気がつくと俺は、別視点に映っている。気がつくと、森だ。
何故森にいるのか。それは、夢か、はたまた夢か。夢……。
だから、夢じゃないって!!
やばい、色んな意味でやばい。頭が混乱している。
太陽の光が森の間にあたり、木漏れ日となっている。
そして、俺の姿。あんな、太っちょな俺が、まさか。こんな姿になっているとは。誰も思わないだろう。
満員電車に乗っていて、たまたま揺れて当たっただけで、痴漢扱いされる俺が……自分で言って悲しいな。
それはどうでもいいとして。
何故俺は、性別が変わっているのだろうか。
男で、おっさんと自他共に認める体型が、何故小さくなっているのか。そして女の子になっているのか。誰か説明を求めたいのだが、どうやら案内役はいない様だ。
もしこれが夢じゃなく、死んで転生しているのであれば。納得はいく。いや、行くか。
まさか、アニメの様な転生ものが実際にあるとは、誰もが夢にも思わない。もしかしたら、神様転生とか?
それとも…、いや。それ以外あるか?召喚?なら、案内役がある筈…。
なら、神様転生じゃないと言うのは、確かだろう。
なら、本当にこれは…。
よし、念の為だ。念の為、夢じゃないか確かめよう。頬をつねれば、分かるだろう。
そんな俺には似合いそうない、プニプニほっぺたを引っ張る。
「あれ、痛い」
と言うの事は、夢ではないらしい。
独身貴族である俺は、天涯孤独。祖父母も俺が中学生の時に亡くなってしまっているし、父さん母さんも10年前に交通事故で亡くなった。
そして、独り身。友人たちには悪いが、先に死後?天国?いや、異世界?
で、楽しく暮らそう。
異世界なら、魔法とかありそうだ。なら、取得するのも損はないんじゃないんだろうか?
それに、今日は天気がいいみたいだ。臨機応変に対応し、異世界で過ごすのも、悪くは無いだろう。
もしかしたら、勇者とか、魔王だとか。存在しそうだ。
だけど、こんな幼い女の子。幼女?として、誰かの為に動く事にしよう。
その為には、自分自身が強く無いとダメだろう。
木漏れ日がささる森の中で、俺は幼女として転生してしまったらしい。天気も良く、俺を見つめる魔物も———?
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