第2話

タイムリープなんて漫画やアニメ、映画の中だけかと思っていた

しかし実際にしてしまったのだ

この令和の時代において

寝て、起きたら過去時間に

瞬間的に理解した。嶺二君はまだ生きていて、今日が彼に声をかけられ、私達が友達になる日だと。


つまり、彼の自殺の真相が分かるかもしれないと言う事、助けられるかもしれないということ..!


「お母さん!私今日朝ご飯いらない!行ってきます!」


お母さんはびっくりした様子だったけど、1番びっくりしてるのは私だし、なにより早く嶺二君に会いたかった



学校に着くとちらほら生徒が来ており、嶺二君の姿は見えない。

しかも私と嶺二君が話すのは今日が初めて

しかし戸惑ってる場合じゃない

会える!..会えるんだ!もう一度



ガラッ

教室の扉が開き、目をやると、そこには変わらずイケメンの彼が居た

「皆んなおはよ〜」


瞬間、泣いてしまった。溢れ出てしまった

大粒の涙が、自分の意志とは裏腹に

安心と悲しみと嬉しさがごちゃごちゃになって私という存在が分からなくなる程、訳もなく、ただただ頬を涙がつたった



周りからどよめきがあったが

そんなのは無視して嶺二君に話しかけた

「おはよう!今朝もイケメンだね。元気?」

彼はびっくりしてたけど、

「おはよう。そんな俺に会えて泣くほど嬉しいの?はじめてだよな。話すの」

笑いながら笑顔の彼を見ると、嬉しい反面、心臓が苦しくなって、あの日先生から自殺だと告げられた日を思い出して辛くなる

だけど、私はすべき事がある。そう決めていた


「はじめてだけど、友達になりたくて私..」

「ああ、もちろんいいぜ。とりあえず席座ってもいいか?」

なんてやりとりをしてると始業のチャイムが鳴り響いたので、後ほど話す事にした。


授業中ずっと背中をみてた

なんだかストーカーみたいというか自分でも気持ち悪いななんて思いながら

生きててくれてよかったと溢れる気持ちが抑えられそうになかった


休み時間になると放課後2人で話せないか聞いてみた

「もちろん話せるけど、告白だったらごめん。俺今彼女作る気ないから」

教室の真ん中で堂々と私をフッてきた

別にいいけど少しぐらい女としてみろよという悲しい気持ちも無いわけではなかった

まぁ恋愛対象として見てるかと言われれば私と別なのだが


「告白とかそういうのじゃなくてもっと大事な話」








「それで?

話ってなんだよ」

放課後、人気のない屋上で彼は約束通り現れた

「この話は嘘でもなくて、事実だから驚かずに聞いてほしい。私、タイムリープしたみたいなの..嶺二君が自殺した世界線から、突然」


何というか迷ったけど真剣にありのまま伝える事にした


「信じられないかもしれないけど、私達、友達だったの、貴方の秘密の友達って言えばいいのかな?お互いファッションとか女装の事とかを相談したりする友達」


すると嶺二君の表情が少し曇った


「俺が女装するって言ったか?誰に何言われたかしらないけど、俺達今日初めて話したばっかだし、タイムリープとかも信用しろって方が無理あるだろ」

ごもっともであるしかしここで挫けちゃいけない

「お願い信じて..!嶺二君を助けたいの!!!

それに、女装は嶺二君自ら教えてくれたんだよ。」


「......。」


しばらくの沈黙

そりゃそうだ、私だって信じられない

今でも夢かもって思ってる。だけど、どうしても助けたい。自殺なんかさせない


「証拠は?仮に本当だとして、証拠見せてくれたら信じてやるよ」


そうだ証拠!私と嶺二君を繋ぐ証拠..

お姉ちゃんから貰ったリップ

これぐらいしか、、


「なんだ、ないのかよ?ならこの話はおしまいだな。俺は帰る」


「待って!このリップ..!これ!嶺二君が褒めてくれたの。私に似合ってるって、教えてほしいって..」

そう言ってリップを手渡した

しばらく見つめて確認したあと

私の顔をみて笑いだした


????


「お前、、くくく、、面白い奴だな。確かにこのリップはいい色だし、俺が気に入りそうだ」

予想外の反応で私もつられて笑った


「じゃあ、信じてくれるの...!?」


「ぁあ、しょうがないから話聞いてやるよ。俺の未来とお前の事」


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クラス1のモテ男の女装が止められないんだが 鬼丸 @Kikikaikai_chan

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