妖電脳遊戯制作譚 読み切りバージョン

ミゴ=テケリ

妖電脳遊戯製作譚


 鬱蒼と生い茂る森の中、およそ人の寄り付かない場所にある妖怪たちの酒場、数々の人外たちが笑い愚痴を言い合っていた。そんな酒場の一角で一際酒

を飲み、荒れている者がいた。虎の胴に猿の顔、尾に蛇を持つ妖怪、鵺だ。


「クソ、あの運が良いだけのボンボンが、ろくに恐怖も与えたこともないくせに運一つで出世しやがって」

 

周囲に聞こえないように注意しつつも一人愚痴をこぼしていた。酒をあおっていると、声をかけられた。


「随分と荒れているようですねぇ。鵺さん」


振り返ってみるとそこにはシャレコウベが浮かんでいた。


「なんだ目競か、平清盛に一睨みで退散させられた軟弱者が何の用だ?」


 てっきり見越し入道か豆腐小僧を褒めている大妖怪に聞かれたかと一瞬肝を冷やしたものの、声をかけてきたのが力の弱い目競と知り、軽く挑発する。しかし目競は意外にも挑発し返してきた。


「源頼政に退治された挙句、一時期は人間に使われたのによく言いますねぇ」


「てめえ、どうやら痛い目を見たいらしいな」


 このクソドクロが、俺の黒歴史を抉りやがって。掴みかからんばかりの形相で目競を睨みつけた。


「おっと。酒の席で荒事は無粋ってものですよ。騒ぎを起こすと周りがどういいますかねぇ」


確かに大妖怪もいる中で騒ぎを起こすのはまずい、畜生後で絞めてやる。


「まあまあ、落ち着いてくださいよ。それよりも豆腐小僧より功績を得られるかもしれない方法がある、と言ったらどうします?」


「本当かよ。詳しく教えろや」


 そう俺は疑いの目を向けつつも、あの七光りより上に行けると聞き興味を持った。


「ここでは人の目がありますから酔い覚ましがてら外で話しましょう」


そうして俺たちはこっそりと酒場を抜け出し、屋敷の裏手に出た。


「それで、あの七光りの上にいける方法ってのは何なんだ?」


「その前に鵺さん、最近の妖怪の在り方についてどう思われます?」


 勿論そんなものは決まっている。

「『不満』に決まっているだろう」


 と答えると目競はなお食いついてきた。

「ほう、それは何故ですか」


「人間の技術が上がってきて闇がなくなり恐怖を与えることが困難になり、昨今では人間に媚びを売る者までいる始末」


「他には何かありますか」


「従来の生ぬるいやり方ではだめだ。時代は新しいやり方を求めている。人間にへつらうようでは妖怪に未来はない、俺のように自分の異界に引きずり込んで恐怖を与えるくらいの事をしなくてはいけないんだ」


「よく言ってくれました」


「時代は新しいやりかたを求めています。しかしあなたのようなやり方は鵺さんや一部の妖怪にしかできません」


「どういうことだ」


 俺を含む一部の妖怪にしかできないだと。確かにそれなりに妖力は持っているが俺より強いやつなんてそれこそ五万といる。


「最近、急激に力がましたとかそういう感覚はないんですか。特にこの十年くらいで」


「言われてみればそうだが、それは俺が普通に恐怖を与え続けているからじゃねぇのか」


 というと目競はわかってないなこいつ、という目を向けた。


「ちがいますよ。知らないかもしれませんがあなたはゲームに出演しているんですよ。具体的には某シューティングゲームに」


 はぁ? 何を言っているんだこいつは。げぇむ?


「一部のアニメやゲームに出ている妖怪は人間になんらかの感情を与えるんですよ。食種にもよりますが感情を喰うのは妖怪の常識でしょう」


 困惑していると目競が説明してくれた。言われてみれば正論だ。


「豆腐小僧の上回る功績を得られるかもしれない方法はこれを利用したものなんですよ」


「人間どものげぇむとやらに入り込んで感情をせしめようとかいうんじゃねぇだろうな」


「近いですね。正確にはゲームをこっちで作ってその中に人間を引きずり込むという方法です。人間の間で流行している3Dの発展系のバーチャルリアリティ系でね」


ばぁちゃるりありてぃってなんだよ、訳がわからんぞ。


「簡単に言えば精神だけ異界に入り込める機械を作って人間を異界に引きずり込むという事ですね」


「ちょっと待て。いい案だとは思うが肝心要のその機械はどうやって作るんだよ?」


 話を進める目競に対して肝心要の機械について説明を求めた。


「それについてはご安心を。チャットで知り合ったグレムリンのHNタテジマさんにすでに製作を依頼しています」


「なるほど用意周到なこった。その話、乗らせてもらう」


 目競も結構人間にかぶれているな、と考えながら了承すると背後から声が聞こえた。


「ほほう、なかなか面白い謀をしておるのう」


驚いて、声の方を向くと十二単をまとった女性が俺たちを見ていた。


「こ、これは長壁姫様。このようなむさとしたところに何のご用でしょう」


 と目競がかろうじて反応するが冷や汗をかき、目が泳いでいて明らかに動揺している。おそらく俺も同じようになっているのだろう。


「なに、宴会場からこっそりと出て行くのを妾の眷属が目撃していてのう。面白そうなので眷属を通し見ていたのじゃ」


「ど、どの辺りからですか」


 と俺が震えながら聞くと


「ちょうど七光りの上、のあたりからじゃな」

 

と扇で口元を隠しながら答えた。


(どうする、こんな密談聞かれた上に見越し入道にでも密告されたら俺たち終わりだぞ)

と殆ど最初から聞かれていたことに絶望しつつも、なんとか小声で目競に話すと目競も動揺しきっていて

(大丈夫だ、大丈夫だ。私は方法を示しただけで悪口はあまり言ってない、私だけは助かるはずだ)

 と必死で理論武装と自己弁護を小声で長壁姫に聞こえぬようにしていた。

(待てこら、自分だけ逃げるんじゃねぇ、最悪お前も道連れにしてやるからな)

(イヤだ、私はまだ現世が恋しい)

 小声で揉めていると長壁姫から叱責がとんだ。


「おぬしら、なにをごちゃごちゃ言っておる。見苦しい」


 静かだが妖気と怒気を含んだ声は有無を言わさず俺たちを現実に引き戻した。

 我に返った俺たちは地面に飛び込むかという勢いで地面に手をついていた。いわゆるところの土下座というヤツだ。


「申し訳ございません、お見苦しいところお見せしてしまいました」


「うむ、解ればよい」


 なんとか機嫌の方は直してくれたらしい、しかしもう一つの方が問題だ。


「浅ましいお願いだとは重々承知しておりますが、この場で聞いたことはなにとぞ御内密にしてくださるよう、伏してお願い申し上げます」


 と何とかこの場のことを胸の内に留めて貰うように頼み込んだ。長壁姫は言った。

「面を上げい」

顔を上げると長壁姫は扇を畳んでしゃがみ、目線を合わせていった。


「見越し入道に告げ口をする気などはじめから有りはせんから安心せい」


 ひとまず危機は去った。

(阿耨多羅三……止動方角……)

 目競は妖怪らしからぬ経を小声で唱えていた。

 しかし、喜ぶのは早かった。


「妾にもその、ばぁちゃる某とやらに一枚かませてくれればの話じゃがのう」


長壁姫がこれぞ魔性ともいうべき妖艶な笑みを浮かべながら俺の顎に扇を添えてきた。


「なぜ、とお聞きしてもよろしいでしょうか」


 内心の動揺を抑えつつ問う、時間稼ぎの意味もあるが実際長壁姫のような大物が何故興味を示すのか興味はあった。


「一言でいえば暇じゃからのう。夜更けに侵入者はなし、雅比べも早々できぬとあって力をふるう機会が無くてのう」


 なるほど、力あるもの故の悩みというわけか。と納得していると長壁姫が「それに」、と付け足してから


「妾を仲間に加えれば恩恵もある。例えば妾ならうるさ型を抑えることも可能じゃし、眷属による労働力に強大な妖力と今この場でもこれだけの利点があるがどうじゃ」


 確かに後ろ盾になってもらえるのであれば心強いことこのうえない、主導権を握られるがこれは仕方ないと諦めるしかないか。


「わかりました。是非ともお願いいたします」


 と言い、お前も賛成だよなと目競に話を振る。


「もちろんです。長壁姫様がメンバーに加わっていただければ成功は確定したも同然にございます」


 と目競の世辞を言う。そうすると


「よしそれでは妾達で並み居る妖怪に一泡吹せてやろうぞ」


 と長壁姫が結成の音頭のようなものを取り俺たちもおう、と返した。


「して、目競とやら、さっき言っておった機械の仔細はどうなっておるのじゃ」


「はい、一週間後に持ってくるよう依頼しております」


さっそく主導権を握り出した長壁姫は目競の報告に満足げにうむ、と頷いた。


「では七日後に妾の姫路城に持ってこさせよ。当然おぬし等も来るのじゃ、よいな」


「心得ました、姫様」


 と俺たちは同時に答えた。


「では今日のところは宴もたけなわな事じゃし、これでお開きとする」


 というと七日後が待ち遠しいとつぶやきながら籠を呼び出し、去って行った。


「何とかなったな。」


 長壁姫が完全に見えなくなったのを見計い溜息をつきながら言うと


「まあ、結果オーライですよ。後ろ盾があるのとないのとではやりやすさが段違いですからねぇ」


その後精神的に疲労した俺たちは帰路に就いた。


 一週間後、俺は目競より早く姫路城の天守閣に着いたので一足先に長壁姫に挨拶することにした。

 長壁姫の前に跪き声がかかるのを待つ


「苦しゅうない、面を上げい」


 という長壁姫の声を聞き「ははーっ」と顔を上げる。


「よく来たのう、鵺」


「お招きいただき光栄の極みにございます」


その時、長壁姫の眷属が長壁姫に何か耳打ちする。


「どうやらおぬしの連れも到着した様じゃ」


「ここに通せ」と姫が言うと眷属がふすまを開け、目競が蝙蝠の羽のような耳を持った釣り目のいかにも西洋の小妖怪と言った者を伴い入室してきた。そして荷物を小脇に置くと目競共々跪いた。かなりきちんと日本の作法ができているあたり、目競が仕込んだという事がわかる。


「よく参った。目競よ、そこなものがおぬしの言っていた技師かや?」


「はい、この者がグレムリンの技師にございます」


「ごショウかイにアズかりマシタ、グレムリンのボーダーです」


 グレムリンがたどたどしい言葉で自己紹介をする。

「コチラがゴイらいのマシンデス」

 というと横の箱からメガネのような物を取りだし、眷属をとおして長壁姫に渡す。


「ふむ、してこれはどのようにして使うのじゃ」


渡された機械を手のなかで弄びながら姫が聞いた。


「姫様、この者は言葉が不調法故私が変わって説明いたします」


と目競が申しでた。


「見れば異国のもののようじゃし、致し方ないのう」

 ぼーだーを見定めながら姫が許可を出す。


「ではご説明します。この機械はかけたものの精神のみを異界に飛ばすという物です」


「精神のみ、とはどういう事じゃ」

と姫が疑問をぶつける。確かに、前は気にしなかったが何故精神のみなんだ。魂ごとでもいいはず。


「精神のみとするのは魂と比較して扱いやすく、擦り減りが少ないため繰り返し感情を生み出すことができるためにございます」


 なるほど何度も使いまわせるなら、そっちの方が長く使える。


「では役割を決めるのじゃ、ぼおだあ殿は眷属共に仕組みを教え、このからくりを量産するのじゃ」


「わかりマシタ」


 勝手に役割を決めていく、まあ最初からある程度決まっているようなものだから別にいいが

「目競は内容を考えよ」

「心得ました。清盛にやられてから今日まで古今東西のあらゆるゲームを学んできた集大成をお目にかけましょう」

「鵺は妾を手伝い異界を構築せよ」

「わかりました。微力を尽くします」

とりあえずやることは決まったか、大変だろうがやってやろうじゃねぇか。

 

「目競、聞いてなかったが内容としてはどのようなものなんだ」

「半分くらいは趣味が入っていますけど」


数年後

 日本中で話題になっているネットゲームがあった。世界初の完全バーチャルリアリティであり、登録するとゴーグル型のバーチャライズマシンが届き、プレイヤーは妖怪となり歴史上の人物を倒していくという画期的なストーリーで人気を博していた。

 このゲームを発売したのは全く無名の会社『妖電脳遊戯製作所』だった。


 午前二時、誰一人いないはずの姫路城で世にも奇妙な会議が行われていた。

会議の中鵺は今までの事を思い返していた。


「それでは定例会議を始めるのじゃ」

 と姫さんが音頭を取り会議が始まった。

 あれから数年、俺たちが作ったゲームは俺たちの予想以上に人気が出てしまった。そのため手が足りなくなり異界が機能不全を起こしてしまうこともしばしばあった。そのため長壁姫の伝手で呼びかけを行ったところ頭数が増えすぎ、今では一つの派閥となっていた。


「新規参入者として蚊精様、琵琶精様がおります」


「うむ、今は一人でも人手が欲しいからのう」


「御注進、御注進にございます」


姫が眷属からの報告に笑顔で答えていると眷属が血相を変えて会議室に飛び込んできた。

「何事じゃ、騒がしい」

「竜巻にございます」

 竜巻? そういえば栃木だか千葉だかで発生したって何かで聞いたな。

「おいおい、そりゃ関東の方の異常気象だろうが、まさかこっちに向かってきているわけでもあるまいし」

「そのまさかです。竜巻がこの城に向かって猛進中です」

「おいおい、冗談もほどほどにしておけよ」

俺は眷属の「本当なんです」という声を聞き流し、窓を開けた.

「見てみろ、そんなもん何処にも……あったな」

 窓の外を見てみると五里ほどの距離に竜巻が見えた。姫路城にゆっくりとではあるが向かってきているのが見えた。すぐさま窓を閉め指示を仰ごうと咄嗟に姫の方を向くが、姫は平然として

「案ずるでない、あの程度のつむじ風、どうという事ではなかろう」

 と、平然と言い放ち、茶を飲みながら案件をこなしていた。

「ふむ、この黒豆茶はいけるのう。舶来の物もたまにはいいものじゃのう」

「いやいや、あれをつむじ風と言えるのは姫さんだけですって」

 大妖怪である姫はともかく、俺や目競にはあの竜巻はきつい

「しかし姫様、あなた様は平気でも、あのレベルの天災では城も無傷ではいかないのでは?」

 姫のあまりに落ち着き払った態度に目競が質問をなげかける。確かに落ち着きすぎている。

「あれは妹じゃよ、名を亀姫という。全くあぽいんとめんとなしで来訪するとは相変わらず礼義を知らぬやつじゃ」

 姫は渋い顔をしながら言い放ち、窓の近くに立った。

 移動で竜巻を起こすとは流石は姫の妹だけあってすげぇ力だな。そう思っていると暴風の音が途切れた。姫が窓を開けてみると空には十二単を纏い、手に毬を持った美しい女が浮かんでいた。

「お久しぶりですわね、お姉さま」

「久しぶりじゃのう、で用向きはなんじゃ? こちらはおぬしと違い暇ではないからのう」

 二人とも笑顔だが目が全然笑っていない。

「私(わたくし)、お姉さまを止めに参りましたの」

 止める? 何のことだよ。そう思い、目競に小声で話しかけた。

(目競、どういうことだかわかるか?)

(大方、我々を妬んだどこかの派閥に丸め込まれたのでしょう)

(なるほど、見た感じ世間知らずそうだしな)

目競の説明に納得していると亀姫が信じられないような事を言い出した。

「妖怪と人間、双方から信仰と力を集めて反乱を起こし神になり変わろうとするなど断じて見逃せませんわ」

 この啖呵を聞いた瞬間に俺たちは亀姫が言いくるめられている事を確信した。

「……亀姫、完全に猿回しのサルにされておるぞ」

「問答無用です」

 亀姫が叫ぶが早いか竜巻を城に向けてきた。

「全く。鵺、目競、異界を構築せよ。」

亀姫の竜巻を防ぎつつ、長壁姫が俺たちに指示を出した。

「了解しました」

「数分かかるのでその間、お願いします」

 俺と目競は返事をすると、すぐさま眷属と共に異界の構築に取り掛かった。

数分後、簡易的であるものの構築が完了した。長壁姫もそれを察し、反撃に転じた。

「よくやった。決して入ってくるでないぞ」

 と言いながら亀姫に掴み掛り、共に異界に入っていった。

行けたとしても絶対に行きたくない。正直あんな天変地異に巻き込まれるのは御免という考えが俺を含め全員の顔に出ていた。

「さて、お転婆な妹さんの事は姫さんに任せて俺たちは背後関係を探るとするか」

 俺はひとごこちついたところで脅威が去ってほっとしている会議室の面々に火消しを含めた後始末を命じた。


数時間後、俺たちはひと段落ついたところで休憩していた。

「だいぶ手ひどくやられたようじゃのう」

「誰だ」

 俺達が茶を飲んでいると、不吉な笑い声と共に老人と青年が現れた。

「総大将に業平様、なぜこのようなところにおいでになられたのですか?」

「なに、今回亀の嬢ちゃんに良からぬことを吹き込んだものがおっての、そやつらを引き渡しにきたのじゃ」

 と言って持っていた杖を打ち鳴らすと虚空より縛られ、失神している妖怪たちが落ちてきた。青行燈に垢舐め、唐傘お化けと言った宴で豆腐小僧を褒めちぎっていた面々だ。

「こやつらはおぬしたちの躍進を妬み今回のことしおってのう。ま、煮るなり焼くなり好きにせい」

 なるほど犯人はこいつらだったのか、組織的な攻撃かと思ったのは考えすぎだったか。そう思いつつ眷属に犯人たちを引き渡していると異界より姫が帰ってきた。

「今帰ったぞ。こ、これは業平様、お見苦しいところをお見せいたしました」

「かまわない、こちらも連絡なしに来たのだからな」

戻ってきた姫は業平を見るなり、普段の態度は何処へやら一瞬にして借りてきた猫の如くおとなしくなった。というか業平のやつは何のために来たんだ。

「して業平様はどのようなご用向きで参られたのでしょうか」

「ああ、最近活躍が目覚ましいので、贈り物を持ってきたのだよ」

 そういうと業平は懐から数珠を取り出した。

「これは、なんと美しい。これを私に下さるのですか」

「もちろん、紫水晶の数珠だが気に入ってもらえたようだね」

 業平から数珠を手渡されると姫はその美しさに見とれており、業平はその様子を見て無駄にさわやかな笑顔をしている。


しばらくして業平とぬらりひょんが帰った後姫が狂喜乱舞しつつ俺達を呼びつけた。

「鵺、目競、宴を開くぞえ。各地の妖怪に招待状を送り盛大に」

 以前は呼ばれる側だったが、今度は呼ぶ側に回るとはな。

今度は豆腐小僧におれの気持ちを味わわせてやれるぜ。

その後、後始末に加え、具材や酒の手配などで連日、昼夜を問わずに動くこととなった俺は現在悲鳴を上げている。宴を開くという事はこんなにもおそろしいとは……。


鵺の泣く夜は恐ろしい。



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妖電脳遊戯制作譚 読み切りバージョン ミゴ=テケリ @karochi1105

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