悲鳴

私の眼はすでにすっきりしているようである。

赤黒く血走っているあの時流の文化が、私の脳内をクラッシュした。


街の人たちは、みずから誇らしげに堂々と歩道を歩いているのに、どこにも連絡できない現実が、誰にも相談できない事情が、彼らを街中で戦わせていたように思えた。


彼らが走らせている車が、満たされない気持ちでこちらを見ていたが、うらやましそうに、とても嬉しそうな眼で遠くの彼岸をみつめていたのだが、

悲願はその罪悪と真実を、凡夫たる私に語りかけている。



罪悪深重で、煩悩熾盛の私が、この死の現実を目撃したが、どこまでも尽きない無関心の情念が、この冷たい現実を素通りするしかないのだな。


何かしらの不満が社会にあふれ出ている。


俺はこの生命を訴えなければならないとは思わぬ。

ただ生命が社会を希望のもとへと放り投げる必要なんてないんだな。

無為自然といってその怠惰を偽っているが、でも"そのまま"で終わるはずがないし、生命は躍動しつづけるんだな。

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